2017年03月28日

広告費負担と会社経営

ニュース報道で「てるみくらぶ」という格安海外ツアーの会社の破たんで、海外に取り残された方々や、支払った旅行代金が戻ってこないという被害者が増えているようです。被害額は99億円で負債は151億円。中堅の旅行会社として通常の営業を行っていながら、これだけの負債を抱えてしまった原因は「広告費が掛かり過ぎた」ということです。

JTBやHISなどの大手はもっと広告費を使っているのでしょう。不特定多数のお客さんを相手に、選ぶ側も数社の選択肢がある価格競争になりやすいビジネスでは、人件費以上に広告費が会社経営に大きな負担を与えていることが分かります。

住宅展示場
住宅業界で考えてみるとどうでしょう。旅行会社のツアー広告どころではない広告出稿とチラシやDM発送を行っている会社が数多くありますね。その上、旅行会社にはない『総合展示場への出展』という、莫大なテナント料と豪華モデルハウスの建設費も会社が負担しています。さらに営業マンや設計担当者、施工管理の人など、旅行代理店の窓口担当とは比べ物にならない人件費負担があります。

消費税が5%から8%にUPした時の駆け込み需要の反動だけでなく、団塊ジュニアと呼ばれる世代の住宅取得も一段落し、戸建て住宅は二ケタ減の会社が数多くあります。アパート建築で売上減をカバーしていますが、やはり戸建て住宅の広告費も、住宅展示場にかかる経費も削減できない『高固定費体質』が、住宅展示場で営業をしているハウスメーカーの宿命です。

その費用は毎月大きな負担として会社経営にのしかかり、損失を株主や経営陣が負担してくれる訳ではありません。その費用は、適正価格かどうかの知識もない住宅購入者に知らないうちに転嫁されます。その金額は数十万単位ではなく、数百万円単位になっています。

週刊ダイヤモンドの2015年11月の記事『数字で会社を読む』に、戸建て最大手の鉄骨プレハブメーカーの経営数字が発表されていました。2010年時点での住宅1棟あたりの単価は3,127万円。その後”徐々”に引き上げられ2014年には3,565万円になり、とりわけ高級路線の「イズ・シリーズ」は新たなラインアップを加えたと紹介されていました。

牛丼チェーンやハンバーガーチェーンの価格競争や値上げの記事なども皆さん日常的に目にしているでしょうが、まだデフレが脱却できないこの時代に、5年間で438万円も値上げして誰も気づかないというのは、着工戸数が減っても固定費が減らない分、購入者に転嫁したということなのでしょう。

この会社は年間2万棟を超える住宅を建てているので、5年間の10%を超える”コッソリ値上”げで、着工数が減っても1千億円くらいを2015年の購入者に負担させたということです。

これから人口が減っていき、国内で住宅着工が減るのが決定的な中、長期の30年保証などを「やっぱり大手だから安心」と契約しても、本当に30年後その会社があるのか、本当に不透明な時代です。シャープや東芝でさえ、会社の存続が危ぶまれる時代、安心を求めて高い負担(その多くは広告宣伝費や人件費の転嫁)をしてまで、大手で建てるのは再検討したほうが思わされる、旅行会社破綻のニュースでした。

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