2017年07月19日

福富町の古民家で『建築士の日イベント』講演会

イベント会場の土間で講演会
ご報告が遅れましたが、7月8日(土)東広島市福富町にて、広島県建築士会東広島支部主催のイベントの講師として1時間の講演をしてきました。テーマは「景観」で、会場は近畿大学工学部建築学科の准教授、谷川大輔先生が移住のために自ら購入した古民家をお借りして、第二部では私と谷川先生との公開討論会も行いました。

タイトルは『ずっと住み続けたいまち そこには「美しい景観」がある。』という、ちょっと壮大なテーマになりましたが、日本のコンパクトシティの代表的な事例である青森市と、人口規模的に近いドイツのフライブルク市の人口密度や街並み、商業施設などを比較しながら、東広島市の酒蔵通りなどの地元の景観にもスポットを当てて、お話をしました。

福富町の建築士イベント会場日本の「コンパクトシティ」は、平成の大合併と人口減少によって、非効率になってきた行政サービスやインフラ投資を抑制するために、街の範囲を縮めていくという”建物配置の縮小”が中心となっています。主要目的は、「財政の健全化・持続性」という行政側の都合であって、住民側にメリットが見えづらいからなかなか理解が進みません。

一方でドイツの地方都市では、コンパクトシティと言わずに『ショート・ウェイ・シティ』という呼び方をします。これは”移動距離・移動時間が短い”ことを目指して、市民にも経済的メリットが大きいことが実感できる政策です。通勤や買い物のために移動する時間が減れば、それだけ家族や趣味、仕事に費やす時間が増え、公共交通機関を充実させることで、車を保有するコストや燃料費などを抑えることが可能となります。

路面電車を中心とした公共交通機関が成り立つためには、駅を中心とした徒歩圏に一定の人口密度が必要で、フライブルク市ではすでに「一戸建ては建築禁止」となって、連棟や共同住宅によって建物の密度を高めるとともに、緑道や公園などのパブリックなスペースを充実させています。人口密度のコントロールによって、個人向けの医療やサービス、地域密着型の商売が成り立ち、遠く郊外のショッピングモールに行かなくても、地元の商店で買い物ができる環境をつくるから、地元の景観を整える経済力も続いて、街並みも美しく保たれるのです。

コンパクトシティは、地図上で人が住むエリアを縮小させていくという、ハード中心の施設移転、建築抑制ではなく、その地域に住んでいる人の経済的負担を和らげ、地元で商売が成り立つような環境を整備することで、地域の経済が持続的に循環するような『地域の自立』を促すための政策です。建築士という、建物の設計や施工に携わるプロの人たちにも、そんな自覚の上で地域の好循環を生み出す仕事をしてもらいたいと願います。

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Posted by cms_hiroshima at 11:19│Comments(0)