2019年01月05日

広島市立地適正化計画(骨子案)への意見

広島市安佐南区の大規模団地
平成最後の年が明けました。
私は平成3年の10月に、それまで住んでいた東京都葛飾区から広島市安佐南区に移住し、一度の転居で現在のAシティに23年間住んでいます。この平成の30年間は、多くの自然災害にも見舞われましたが、自分の仕事柄、一言で平成の時代を言い表すと、『個人が取得した不動産の資産価値が縮小し続けた”失われた30年間”』だと感じます。その前のバブルの時代までは「土地神話」があり、不動産価値は右肩上がりだったのです。

今や不動産は『負動産』とさえ言われ、空き家の増加や耕作放棄地、所有者不明土地の急増など、特に高齢化が進む地方では、お荷物になってきました。すでに人口減少社会に突入し、以前のような郊外開発による「スプロール化」の時代ではなく『コンパクトシティ』が各自治体の政策に組み込まれるようになってきています。

そこで平成最後の年の投稿では、広島市がコンパクトシティ化に舵を切り、立案された『広島市立地適正化計画』ほか、地元行政が発表、意見公募している政策に関して、私が市や県に送った公募意見を個人ブログに転載していきます。あくまで私の経験や知識をもとにした提案ですが、広島市のホームページではその一部を咀嚼してしか紹介されていないため、テーマごとに全文を連載投稿していきます。

まずは、平成29年(2017年)に市に送った「骨子案」への意見の前文で、全体を俯瞰して個人の意見をまとめ、その後”私案”として5つのテーマで新たな街づくりを提案しました。ちなみに昨年(2018年)に、広島市都市計画審議会(都市整備局)と広島市総合計画審議会(企画総務局)の市民委員公募に応募して選出され、審議会でも直接意見をいえる立場になりました。


まずは広島市のホームページで市民意見募集の公募結果をご紹介します。

http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1533364644363/index.html

若本の意見前文は以下の通りです。

この『立地適正化計画』は、広島市がいわゆる「コンパクトシティ」を志向する中で、国交省の計画立案ガイドラインに沿って立案されたと思われるが、ガイドラインに期待されているような、地域事情や地域特性に基づいた”取捨選択”や”データの掘り下げ”などがないから、明確なビジョンが描けておらず、総花的に現状追認の整理という域を出ていない印象を受けた。

 

国交省のガイドラインを参照にするのであれば、少なくとも「第2章 現状と課題」の項目の枠内に”経済活動”や”財政””地価”の現状は記載すべきだと思われる。しかし、現在記載されている現状認識には深みも危機感も、行政としての意思も感じられない。その結果課題も項目の全てで「必要が()ある」という言葉で締め括られていて、他者(民間)依存、国への期待の様子が伺える。もっと自ら課題解決をしていくという意欲、強い意志を表明してもらいたい。

 

当計画が、都市機能誘導地域居住誘導区域など、広島市内の特定のエリアに対しての将来計画を立案するものであれば、もっと個別具体的にエリアごとの詳細データを開示し、データ(定量情報)だけでは分からない地元自治体だからこそ分かる地域の特性(定性情報)を踏まえた課題抽出が必要である。

 

そして「第3章 基本目標」では、情緒的な言葉だけでなく”定量データ”に基づいた将来の数値目標と、”定性データ”に基づく将来実現させたい都市の姿をより明確にすべきだろう。目標を明確にするからこそ、PDCAサイクルを回すことが出来、環境変化や新たな課題に対して、自立的に計画を修正・更新していくことが可能となる。

 

「第8章 計画の評価・検証」においても、計画の主体となる広島市が「設定例」の記載だけで、具体的な評価基準も持っていないことを示唆させるようであれば、地図も計器類もなく荒れた大海原に船出する帆船のように、風任せの航海しか考えられていないように映ってしまう。

 

少なくとも国交省のハンドブックにも記載されている『都市構造の評価に関するハンドブック』の中から、広島市はどの評価分野を選択し、現状をレーダーチャート化したうえで、将来予測値をどこに設定するかくらいは明示すべきだろう。なぜその評価分野を選択したのかが、自治体の意志であり、その達成のために地域別の具体的政策立案が必要となる。


現在の計画が「骨子案」とはいえ、このまま肉付けするのではなく、今後の急速な時代の変化を踏まえ、地域色豊かな計画に昇華するよう、別添で私案を添付し、今後の計画に期待したい。




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Posted by cms_hiroshima at 17:00