2019年01月07日

広島市立地適正化計画(骨子案)への意見−私案

ショートウェイシティ-ポートランド
立地適正化計画の目的は、人口減少や広がり過ぎた郊外へのスプロール化によって、すでに厳しくなっている自治体の財政を健全化する(インフラへの投資や維持費用の抑制)だけでなく、自然災害の増加や空き家問題などに対処するためには、出来るだけ通勤距離を短くし、郊外から近郊へ、近郊から都心部に居住地域を誘導することが、長期的に見た市民益にもつながるというコンセプトです。

そこで私案(若本案)として、”目指すべき姿は『ショートウェイシティ』”と題して、移動距離・移動時間・移動コストの負担の少ない都市構造にすべきだと、以下の提案をまとめました。


≪私案:目指すべき姿は『ショートウェイ・シティ』≫

国交省が主導する『広域連携型コンパクトシティ』や今回の『立地適正化計画』そして『スマートウェルネス計画』の目的は、少子高齢化や人口減少に直面する地方都市の再生や活性化であり、自治体だけが音頭を取るのではなく、実際に受益者となる住民や地元民間企業など、経済界も巻き込む必要がある。

現在計画されているコンパクトシティ等の計画は、人口の減少による税収入の減少や、すでに投資した公共インフラの維持の負担抑制など、将来の財源不足をカバーしようという”自治体側の都合”が強く出過ぎている。住民にとっては何のメリットがあり、自分たちの面倒や負担があるのかないのか、具体的に何をすればいいのかも明確ではないから、住民のリーダーとなる市議会議員でさえ重要性の理解や協力体制が見えない。

脱原発に大きく舵を切り、環境負荷の低減や省エネルギーに国や自治体だけでなく、住民を挙げて取り組むドイツの事情を伺うと、彼らには「コンパクトシティ」という言葉はなく、敢えて言うなら『ショートウェイ・シティ』に取り組んでいるという。つまり”移動の最小化”に取り組むことで、移動に掛かる燃料費の削減、交通インフラの効率化、住民負担の軽減が、結果的に建物を集住させて建物自体の省エネルギー化や地域冷暖房システムの事業性向上などに繋がり、住民が主体となって街が自律的にコンパクトに向かうようなインセンティブが働いている。その結果、固定的な家計支出が減り、収入が増えない時代でも生活にゆとりが生じる。

住民にとって、郊外の家や土地を売って市街地に移転・移動することの経済的メリットが明確になり、それを行政が担保し、何らかのインセンティブによって、これまでよりもいい生活だと実感できれば、自ずと他の人たちも同様な行動を取り始めるだろう。まずは「イノベーター」と呼ばれる最初に動く人たちや「アーリーアダプター」という周辺に影響を及ぼせる人たちの理解・共感を得るような計画・インセンティブの設計が重要ではないだろうか?

広島で考えれば、都心活性化プランの中にある『楕円形の都心づくり』というコンセプトでは全く不足であり、アストラムライン延伸計画などを含む”郊外から都心への通勤”を前提とする前近代的計画の焼き直しでは、逆に住宅地が地価の安い郊外に「拡散」するばかりだろう。


ちなみに、画像は米国オレゴン州ポートランドの市内のトラム。都心部へはトラムの乗車は無料で、中心市街地はほぼ徒歩で歩いても安全、街歩きが楽しめる全米でも「移住したい都市」の上位に入る地方都市です。
第二弾!
家づくりで後悔しないための「優秀営業マンを見分ける5つの質問」
Posted by cms_hiroshima at 17:00