2019年01月09日

広島市立地適正化計画(骨子案)への私案|2.公共交通網の将来ビジョン再構築

マイカー乗るまぁデー
昨日投稿した『テーマ−1:人口密度のコントロール』に続き、2は公共交通網に関しての提案です。

テーマ−2:公共交通網の将来ビジョン再構築

ショートウェイ・シティのコンセプトで重要視されるのは、日常的な通勤や移動の自動車利用をいかに最小化するかということ。そのためには単にマイカー乗るまいデー』といった特定日のマイカー抑制の標語や呼びかけではなく、車で移動するよりも経済的にも時間的にも公共交通機関利用のほうが、いかにメリットがある状態をつくっていくかが重要となる。

この機会に、公共交通網だけでなく道路網も含めた都市交通の将来ビジョンを再構築することが必要だと考える。なぜなら、すでに自動運転が実用化段階に入り、ネット通販などで増加したトラック便や宅配便が、ドローンほか配達手段の多様化や、宅配ボックスの普及、コンビニ受け取りなどに進化していくことは確実で、交通トラフィックがどのように変化していくか、将来予測が不可欠だ。

その予測を元に対応策を考えない限り、余計なインフラ投資や将来の維持管理の負担などが避けられず、財政が固定化していく懸念もある。人口減少と相まって、増え続けた交通トラフィックと渋滞は確実に緩和されるだろう。それを自然の成り行きに任せるのか、自立的にコントロールするかで、将来が大きく変わってくるのは間違いない。

郊外(=居住誘導地域)に関しては、現状「ベッドタウン」が多く、夜間人口と昼間人口のギャップが大きい。まずは地域ごとのコーホート分析を行えば、団地の高齢化と共に住民の高齢化も進み、通勤をしない高齢者の増加、若年層の流出、人口密度の低下や空き家の増加などが数字で裏付けられるだろう。

その予測の上で、バス路線やアストラムラインの延伸ほか、公共交通網の整備や、パーク&ライド用の用地取得などを計画しなければ、将来的に赤字路線が維持できなくなる懸念も生じる。バスのように運行ダイヤの見直しだけであれば、代替交通手段も考えられ、行政の負担は最小限で済むが、高架の建設や高額な車両の購入などの巨額なインフラ投資は、将来の維持管理まで見込まなければならない。しかし住民は”経済合理性と時間効率でしか交通機関・移動手段を選ばない”から、アストラムライン延伸は負の遺産になるリスクは決して小さくない。

ちなみに私は西風新都のAシティ在住だが、やはりアストラムラインの競合はバスや自家用車利用の「都市高速4号線」であり、最終目的地への移動時間と負担コストを比較して利用を選ぶ。西広島駅の乗り換えでのアストラムラインの競争力がどの層、どの立地にあるのか確かめたほうがいい。

現在Aシティやセントラルシティこころは、“乗り換えなしの直通”で、移動運賃400円前後、15〜20分で市内中心部に移動・通勤出来る。自家用車も同様だ。延伸されるアストラムラインがそれと同等の価格・時間内で移動できるとは考えられず、西風新都に住む住民として、現状では環状線としてループしても乗客は減る一方だと感じる。少なくとも延伸・開通する頃には、通勤・通学客は今よりもはるかに減少しているだろう。

さらに100年単位でみれば、路線が廃止されたJRの線路や鉄橋と同様、その時点で維持管理や撤去する経済力がその地域にあるかどうかも考えなければ、自治体の役目は果たせない。


続いて、この提案の解説です。


ヨーロッパの中堅都市では、次世代路面電車のLRT次世代高速バス輸送システムのBRTを採用し、都心の車の混雑、駐車場不足を回避して、歩行者・人間中心で回遊できる中心市街地が、地元客や観光客で平日でもにぎわう地方都市も増えています。人口規模で20万人程度でも、十分LRTが成り立つのです。

アストラムライン終点ちなみに、山を切り開いた郊外団地から、通勤の利用を前提に延伸を計画する新交通システム『アストラムライン』は、広島市が公開している計画でも、過半数の利用者は佐伯区五月が丘の住人で、西風新都や安佐南区の利用客は3分の1も想定されていません。

このような利用計画では、安佐南区の住民でさえ、税金を投じることに疑問を抱くでしょうし、中区、東区、南区、安芸区、そして安佐北区の住民はほぼ年に一度利用する機会さえないだろう公共交通機関です。西区と佐伯区は、延伸線沿線に住む特定地域の一部住民だけの利用にとどまるでしょう。

このようなことを考えると、都心活性化プランに盛り込むべき計画は、一部の人しか利用しない郊外線に巨額の税金を投入すべきではなく、移動の頻度が高く観光客も利用する都心部にこそ、車よりも利便性が高い公共交通網を整備するほうが優先順位は高いと考えます。

その場合に、他の大都市のような「地下鉄化」や「高架による軌道系交通システム」ではなく、投資コストが安く、メンテナンスが容易で、災害時の避難や被災後の復旧、将来の路線変更等も容易な、既存道路上を走る公共交通システムが、自治体の財政に大きな負荷を与えず、将来の未知のリスクも回避することが可能です。


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Posted by cms_hiroshima at 17:00