2019年03月19日

ひろしま都心活性化プラン(素案)への意見|5.出生率の増加策と移住・定住者への魅力創出

広島市民病院から望む広島城址
前回のブログでは「4.交流人口・観光客の増加」というタイトルで、外部から流入する人々が魅力ある都市としてリピート訪問してもらうための基本的な考え方について書きました。

今回のブログは、市域内に住む住民の増加策、出生率の改善についての投稿です。

5.出生率の増加策と移住・定住者への魅力創出

高齢化による多死社会と人口減少社会がすでに確実に進行する中、地域の活力を維持するために、まずすぐにでも自治体が実施可能な対策は、人口の「自然減」に繋がっている『少子化』「社会減」に繋がっている若者の都市への流出をコントロールすることだ。つまり地域の若者が地元で働き、地元で結婚して子育てをするような環境を整備することしか地方の人口減を食い止める方策はないといっても過言ではない。

まず少子化の問題で出るのが『待機児童の解消』など、子供を預かる環境が整っていないから「生みたくても生めない」という意見。もちろん晩婚化や経済的理由、夫婦間の関係など様々な要因があるが、昔と比べてそれほど子育ての環境が悪化しているのだろうか?むしろ「仕事」と「子育て」が両立しにくく、子育てが妻一人の負担になっている状況の改善こそが必要だろう。

それは産休後の職場復帰や『イクメン』に代表される“夫の育児休暇取得”といった制度的な問題よりも、むしろ子育てが「孤独な環境で行われている」という母親の心理的影響も決して小さくない。高齢者の孤独死や犯罪防止なども含めて、近隣との人間関係を深め、コミュニティ形成に繋がるような住宅の形が欧米では研究され、共助が可能な住環境も登場している。


セントラルシティこころの街並み東京のように通勤の往復で何時間も費やし、残業が当たり前の環境であれば、仕事と子育ての両立は容易ではない。プライバシーを重視した大都会の住宅地は、近隣との人間関係は希薄で、夫の帰りが遅くなれば、1人子供を産んだ時点で、経済的にも今の女性が次の子供が欲しいとは思えないだろう。

ゼロ〜2歳児を預けられる認定保育園の不足やベビーシッターなど、施設やサービスの問題よりも、この「若い主婦の孤独感」こそ、合計特殊出生率低下の隠れた課題であり、少子化解消の大きなヒントが隠されている。実際、田舎ほど出生率は高くなっている。

通勤も含めた生活のコストが安く、便利で自然も数多く残っている地方都市ならではの魅力を高めることで、学生時代に大都会にあこがれて出て行った地元出身者も、地元に戻って就職する可能性も高まるだろう。地域からお金が流出せず、地域に雇用が生まれて生活の豊かさも実感できる都市になれば、新たに人材を求めて進出してくる企業も生まれる確率も高まる。

それこそが都市計画に必要な視点であり、住環境だけでなく都市施設や公共交通体系も重要となる。


私自身、九州の大学を卒業後、就職では大阪本社の会社ながら「東京支店勤務を命ず」という辞令で、二十代は東京で仕事をし生活をしていました。バブル経済も崩壊し、私自身は「家族を抱えて住む場所ではない」と割り切って、三十歳の時に地縁・血縁のない広島に移住してきたので、最近の移住者の気持ちや子育て環境についての実感は共有できるのです。

Aシティ

結婚を機に、アジア競技大会の選手村ともなった広域公園の中に出現した自然の残るマンション群『Aシティ』に入居し、2人の息子たちが生まれて地元の小中高に通いました。都心にあるセキュリティやプライバシーを重視した単独のマンションとは異なり、近くに自然があり公開空地や屋内のコモンスペース、里山などがあるこの団地では、自治会活動も活発で、高齢者から子育て世代まで、安心して暮らせる環境になっています。

餅つき広島では、複数回襲った豪雨災害など、自然災害に対しての教訓もあり、ハザードマップなどによる危険地域の指定と周知だけでなく、自治会を中心に防災訓練や避難経路の確認など、住民同士の交流、コミュニティ活動の重要性が高まってきています。

災害時の避難指示や声掛けも、日ごろからのご近所づきあいや顔見知りの関係が重要です。今や建物や土地造成などのハード面だけで災害を防ぐことは困難になっているのです。

画像のような餅つきイベントなど住民同士のレクリエーション活動も、大都市圏では開催が困難な住民交流の場になっています。ネットやSNSも有用ですが、やはり地域に住む人たちがお互いに顔が見えて助け合える環境も大切ですね!

次回は「6.土地需要の減退と地価推移予測」に続きます。



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Posted by cms_hiroshima at 10:00