2017年04月05日

悪徳リフォームの調査

私は現在、新築の戸建て住宅専門のサービスを行っており、既存住宅の調査(インスペクション)は行っていませんが、25年ほど前は住宅リフォームのFCチェーン本部で、加盟店の指導を行っていました。

当時も悪徳リフォームが多く、見積内容の不備や、屋根・外壁などの訪問販売による高額工事の被害、床下換気扇やプラ束設置など、不要な工事の押し付けなどが社会問題にもなっていました。そこで消費者に安心できる住宅リフォームのお店を増やし、しっかりと従業員教育を行って、施工や見積の標準化にも取り組みました。

今回、知人からの相談で、悪徳リフォームの工事内容の確認と業者立会いをしてきました。
アラミド繊維の小屋束補強
高齢の女性の一人暮らしの家で、外回りの塀の塗装と、サッシ周りのクリーニングなど、外部のメンテナンスだけ問合せしたのに、「無料点検です」といって、天井裏の様子を伺い「大変ですよ。小屋裏に雨漏りの跡がありカビが発生しています。おまけに梁が割れていて、補強も必要です!」と写真を撮って見せたそうです。

そして200万円以上もかけて、瓦にコーキングを施し、画像のように小屋束に『アラミド繊維』で3か所補強をしたのです。通常アラミド繊維は、コンクリートの橋脚の補強などに使われ、金物や構造用合板で追加補強が可能な木造で使われることは基本的にありません。

雨漏りの跡も、状況判断から”2階居室から小屋裏に入った暖気が、妻側の換気から流入する冷気と接した部分で結露が発生した”と考えられ、本当に雨漏りかどうかを確かめることなく、高額な工事を行っていました。

業者側も、こちらの状況判断や質問に返す言葉がなく、不要な工事を実施したことは認めました。しかしこれから工事代金の査定や返還など、業者との攻防が続きます。住宅リフォームでも、業者に依頼する前に相談するコンシェルジェが必要な時代ですね。今は『ホームインスペクター』という建物検査の専門家もいますので、是非「施工をしない専門家」に相談して欲しいですね!  

Posted by cms_hiroshima at 07:42Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月25日

欠陥住宅トラブルを避けるための契約の仕方

日経ホームビルダー記事世間を揺るがした姉歯問題から10年、またもや『傾斜マンション』の問題がマスコミを賑わせています。姉歯問題以前から建築検査や欠陥住宅の調査などでお世話になっている日本建築検査研究所の岩山健一さんが今回もたびたび解説でテレビ局に呼ばれていますが、このような欠陥の被害に対してきちんと損害賠償を受けるためには、実は契約時の『契約約款』をしっかりチェックするということがとても重要です。

画像は2015年11月に発行された業界専門紙『日経ホームビルダー』に掲載された、大手ハウスメーカーの契約約款是正の記事。消費者団体からの指摘で、業界最大手の積水ハウスやミサワホーム、文人も不動産リフォームなどが、ようやく消費者に不利な契約約款を改めたという記事です。
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Posted by cms_hiroshima at 16:13Comments(0)TrackBack(0)

2014年11月16日

広島ホームテレビの取材を受けました!

テレビ取材今日の午前中、広島ホームテレビの取材を受けました。夕方の情報番組『Jステーション』で、土砂災害から3か月目の今月20日、がけ崩れの危険のある場所での住宅建設に関して、どのような対策が取られているのか、実際の現場で取材できないかとのオファーで、当社サービスで家を建てられたお客様にご協力いただきました。

今夏の土砂災害で大きな被害のあった八木・緑井地区や可部地区などは「大規模な土石流」の発生によって、山の中腹からおびただしい岩石や巨木まで流れてきたため、”建物単体”での設計上の工夫や敷地内での補強などの対処では、いかんともしがたい大規模災害でした。

一方で最初の犠牲者が報じられた安佐南区山本の事例は、裏山の崖が崩れ、1階の奥の部屋に流れ込んだ土砂で2人が亡くなったものの、建物の配置や間取り、敷地内で崖に対する対策を講じていれば、犠牲には至らなかった可能性があります。

今回の取材は、このような『がけ条例』がある地域で、実際にどのような対策が行われているのかを取材したいということでしたが、「そんな危険な地域で家を建てた業者なのか?」とか「がけ条例があることを分かっていて、設計をした建築士なのか?」とネガティブに捉えられるリスクを嫌ってか、ほとんどの取材候補先で断られたそうです。実際に住まれている施主自身に危険を十分説明せず、対策も不十分で「寝た子を起こしたくない」という感情もあったのかも知れません。

当社は、セカンドオピニオンのような存在で、住宅取得の不安や疑問を解消するために、しっかりとした「説明責任」や「判断材料」を提供して、危険なことの説明とそれをカバーするための方法、そして費用を調べて最終的に購入者(施主)自身が安心して意思決定できるようナビゲートしています。だから今回取材させて頂いたお客様も、納得の上でこの場所に家を建築し、補強方法やそのコストについても十分理解されているので、快く取材にも応じて頂きました。

放送は午後6時15分から7時までの間で、10分間の特集ということでしたが、果たして何秒紹介されるのか、危険な地域に家を勧めた「悪徳業者」に間違えられないことだけを祈りたいと思います。(^_-)-☆  
Posted by cms_hiroshima at 15:30Comments(0)TrackBack(0)

2014年10月31日

接道義務と建築確認申請

接道と建築確認住宅を建てようとしたら、建築基準法等に合致しているか役所に設計図書等の書類を提出し「建築確認」を受けなければ工事着工できません。細かい規定は色々とありますが、すぐに分かる大きな規定として『接道義務』というものがあります。

住宅を建てる場合に、その敷地が4m幅以上の道路に2m以上接しているということが前提条件となります。これは火災や住人の急な容態変化など、緊急車両が入って来れるようにということであり、住人が車に乗るかどうかに関わらず、新しく建てる建物には義務付けられている規定だから「接道義務」と呼ばれます。

画像は車で移動途中に見かけた建築現場。
何度かここを通り過ぎていて、たまたま狭い道路だったので「離合待ち」している時にふと建築現場に目をやると、「この建物、どう見ても古い建物が接道していると考えると、左奥の建築中の建物は接道していないことにならないか?」という疑念が浮かびました。

実際には、色々な裏技があり、グレーゾーンながら確認を通すノウハウを持っている設計事務所や住宅会社がこのような仕事を受注していて、このケースも裏技を見つけたのでしょう。耐震偽装で大きな社会問題になった『姉歯事件』もグレーゾーンの仕事をこなす設計士として重宝されていましたが、最近建築基準法も厳しくなり、容易にはグレーゾーンで許可が下りなくなっています。
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Posted by cms_hiroshima at 14:30Comments(0)TrackBack(0)

2014年05月27日

県外の設計事務所からの電話

家づくりに携わる人々今月の半ば、私が不在中に県外の設計事務所から電話が入りました。広島在住の知人が自宅を建てるので、自分が設計を手掛けているが、コストを抑えるために分離発注で行う予定で、施工者や職人さんを紹介して欲しいということでした。地鎮祭に出席のため広島に来ているので、本日でも会ってもらえないかとの伝言です。

当日はすでに予定がいっぱいなので、都合がつかないとお断りすると、また翌日連絡があり、空いた時間があれば夜でも事務所に伺いたいという話でした。珍しく夜は飲み会のお誘いがあったため、丁重にお断りしメールで事前連絡をしてもらうように伝えたところ、ようやく事情説明が書かれたメールが届きました。

設計事務所が、自分の地元で仕事をした場合、自分が図面さえ描けば、どこのどんな職人が施工しても期待したような仕事に納まるというのでしょうか?しかもコストを抑えるために「元請の工務店」を排除して、職種ごとに複数の専門工事業者を競わせて、安いところを選び、現場で初めて顔合わせする『外人部隊』を集めて、本当に施主が設計事務所に期待するクオリティの建物が建つと考えて、今の仕事の進め方をしているのでしょうか?

地元で自分自身が現場の監理(+管理)までするのであればまだしも、仕事の経験のない県外で、しかも工程によってはお互い顔も合わすこともない職種もある「住宅建築」で、初顔合わせの設計者と施工業者が分離発注型の工事を進めようとすること自体、私は施主に対する背任行為ではないかと感じました。

恐らく住宅建築を中心に仕事をする多くの設計事務所は、大工や左官、基礎工事など、主要な工事に関しては自ら安心できる技術力のある職人や施工者を指名するでしょう。「私の設計意図を理解して、確かな施工技術を持っている会社をご紹介します」というのが一般的です。一度も一緒に仕事をしたことのない会社だけを集めて、相見積(競争見積)をし、安い会社を選ぶようなことは、例えプロが発注者でもリスクが高いと言わざるを得ません。

仮に見積時点で安かったとしても、後々見積から漏れていた「取り合い部分」が追加工事で発生したり、安全マージンを見込んで割高の見積を提示するなど、チームワークのない「分離発注型」の建築工事は、見積が適正かどうかを見極めるのは容易ではないのです。そのリスクはすべて「施主自身」が負い、設計料(監理含む)以外に、コンストラクション・マネジメントフィーまで負担するのであれば、元請の工務店の利益が設計事務所に移動するだけで、チームワークや責任の所在があいまいな現場が進んでいくだけです。

私はその問合せのメールに、上記のようなことを書き、とてもこちらでは紹介できないこと、そして本来受けるべき仕事ではないことを伝えました。とはいえすでに設計料を支払って地鎮祭を終えたお客さんがいることから、広島市内で分離発注型のプロジェクトを進めている知りあいの設計事務所を教え、相談してみるように伝えました。

建築は設計図書さえあれば出来るものではなく、しっかりとした「施工計画」と「施工技術」が伴ってこそ、期待された仕事が出来るということは設計事務所でなくても分かっていることでしょう。施工者も決まっていないまま、地鎮祭を執り行っていること自体、まず「施工計画」さえないことが分かります。

施主の不安を解消し、安さよりもまずは「期待したクオリティの仕事をする」のがプロであれば、地元以外で分離発注の仕事をするのは言語道断と言わざるを得ません。新幹線で週一回現場チェックできるというレベルではないのです。私は例え「設計・監理だけ」であっても、300Kmを超えるような遠方の仕事は、発注者が「個人」で「一戸建て住宅」であれば、断るのがプロとしての態度だろうと思います。  
Posted by cms_hiroshima at 13:39Comments(0)TrackBack(0)