2022年12月15日

広島経済大学での特別講義終えました。

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一昨日は広島経済大学の特別講義の講師として、丘の上の大学まで行ってきました。年一回、5回目の講師でした。講義のテーマは『大きく変わりゆく住宅業界』で、今は学生とはいえ、社会人になって40年間の生涯賃金や、賃貸を含めた住居費が掛かり続けることなど、しっかりと知恵をつけて将来豊かな生活をおくるためには、住宅や不動産に関する”情報リテラシーを高める”ことが大切だと伝えました。 これまで4回の講義の会場から、広い会場への変更でしたが、新型コロナ対策と思いきや、学生からのクレームで会場変更になったとのこと。最近は、大学に限らず平気でクレームをつける風潮というか社会になったように感じます。 これはSNSなどの影響なのか、それともパンデミックや景気などのマイナス心理のストレスが原因なのか、日本人の寛容性や和の精神が失われつつあるように感じますね! 画像に見える大型のショッピングモールや大規模な分譲マンションの増加も、町内会の崩壊や他人への干渉を嫌い、自分の主張を押し通す人を増やした要因になっているのではないでしょうか?従来、近隣街区で3千〜5千人程度の人口規模があれば、地元のおじちゃんおばちゃんが経営する散髪屋や食料品店、文房具屋や歯医者さん、診療所が成り立っていて、家族構成まで分かっていたものの、それが崩壊したのが平成以降の郊外へのスプロールかと大店立地法による大規模小売店舗の出店規制緩和です。 歴史を巻き戻すことは出来ませんが、やはり町内会や自治会などの地域コミュニティや、近所に怖い大人がいて、悪いことや危ないことをすれば他人の子供でも叱るという、多少ウェットな人間関係は人間形成や犯罪防止には大切だと感じますね。そんな話も住宅業界の課題として大学生に伝えました。
  

Posted by cms_hiroshima at 14:57

2021年05月30日

永年継続企業表彰を受けました!

創業20周年表彰状
新型コロナによる緊急事態宣言が6月20日まで延長され、宣言下の広島では様々なイベントや会合がリモート開催や中止となっています。

画像は、広島商工会議所から頂いた『開設永年継続企業』に送られる表彰状で、創業から20年経ってはじめて表彰対象となる、中小企業にとっては「栄誉ある」賞状です。今後10年ごとにしか表彰はされず、今回は表彰式のイベントも中止されたので、もう10年続くと改めて表彰式に招待されるはずです。

この賞を頂いたからといって、特別地域社会に貢献したことにはなりません。とはいえお客様に継続的に支持されなければ企業は存続できず、今のように会社やサービスの新陳代謝が激しい時代、パナソニックや東芝など日本を代表する企業でさえ厳しい経営にさらされていることを考えると、有り難い話です。

もう少し、住宅・不動産以外にも地域の課題解決に貢献し、感染症のパンデミックにより元気を失いつつある広島を元気にするよう、これからの10年間活動する所存です。  
Posted by cms_hiroshima at 16:43

2020年04月21日

感染リスクとソーシャルディスタンス

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未来の記録として、全国に歴史上はじめて『緊急事態宣言』が発令された状況と私の所感を投稿しておきます。

投稿している現在、日本全体の新型コロナウィルスの感染が1万人を越え、広島県内の感染者は130名程度。280万人の県民なので分かりやすく280人としても1万人に1人の感染です。東京23区の区別のデータをみると4月19日現在のデータで荒川区(人口約28万人)は、人口10万人あたり5.99人の感染者。つまり感染が拡大し、人の移動の多い都内でも区によって1万人に1人未満が「陽性」と判断されている状況です。

PCR検査が少ないから、海外に比べて陽性患者が少ないという意見も多いものの、そうであれば地域に密着した診療所や個人医院、クリニックなどに高熱の外来が増えてニュースにもなり、肺炎の死亡者も増えるでしょうが、インフルエンザの流行さえ抑えられている様子。

画像は、広島市内のホームセンターのレジ前に表示された待機場所のシール。いわゆる『ソーシャル・ディスタンス』と呼ばれる、お互いに配慮した「人との距離を保つ柔らかなルール」です。

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Posted by cms_hiroshima at 17:43

2019年03月25日

ひろしま都心活性化プラン(素案)への意見|6.土地需要の減退と地価推移予測

郊外のショッピングモール

前回のブログでは「5.出生率の増加策と移住・定住者への魅力の創出」というタイトルで、人口減少を抑制するために”この町に住みたい”と感じてもらえるような街づくりについて書きました。関連するテーマで、今回は土地の需要に関して書いていきます。

6.土地需要の減退と地価推移予測

経済のグローバル化が進み、またネット社会の進展が加速化すれば、高度成長期の都市の膨張により郊外立地から市街地に飲み込まれていった工場や物流拠点、そして大規模小売店舗などは、より「地価が安く」そして「労働賃金の低い」「交通アクセスが便利な」地域に移動していくのは必然だろう。残された工場跡地、物流センターの敷地は、仮にそのまま広大な敷地を別の用途として利用しても、雇用はほとんど「非正規労働」で「低賃金」しか見込めない。

コンビニと駐車場また都市近郊の鉱工業(町工場)や商業が混在した地域では、企業の事業規模縮小や統廃合、郊外や海外移転など、今後土地需要は減退していくばかりではないだろうか。それでも過去15年間は巨大な工場跡地などに、広い駐車場を有する大型ショッピングセンターや複合施設が進出し、中小規模の土地にも家電量販店や食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどの中規模店舗が定期借地で出店してきた。

しかし無店舗販売のネット通販が増加し、人口減少や賃金の横這い、家じゅうモノがあふれて物品購入以外の消費が増える中、借地契約の更新時に、賃料の減額交渉や再更新しないお店も増えている。ガソリンスタンドも街中から消える中、それらの空き店舗・空き地の需要を埋めてきたコンビニエンスストアや携帯ショップなども、オーバーストア状態になって来た。すでに都心に残る数々の公有地でさえ跡地利用が二転三転するような土地余り状態が続いている。高過ぎるか大き過ぎるのだろう。

そんな状況に加えて、高齢化した土地オーナーの相続の発生も急増し、相続人が地元にいないケースも増えて、所有権は分散、土地利用は迷走して結局、賃貸マンション建築などに活用されて“周辺の空き家をさらに増加させる結果”になっている。土地や親の家はお荷物にしかならないという、30年前には考えられない状況を、将来の30年の計画にどう反映させていくのか、十分に練った都心活性化プランで土地利用をもっと流動化・効率化・活性化させたい。

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Posted by cms_hiroshima at 17:30

2019年03月19日

ひろしま都心活性化プラン(素案)への意見|5.出生率の増加策と移住・定住者への魅力創出

広島市民病院から望む広島城址
前回のブログでは「4.交流人口・観光客の増加」というタイトルで、外部から流入する人々が魅力ある都市としてリピート訪問してもらうための基本的な考え方について書きました。

今回のブログは、市域内に住む住民の増加策、出生率の改善についての投稿です。

5.出生率の増加策と移住・定住者への魅力創出

高齢化による多死社会と人口減少社会がすでに確実に進行する中、地域の活力を維持するために、まずすぐにでも自治体が実施可能な対策は、人口の「自然減」に繋がっている『少子化』「社会減」に繋がっている若者の都市への流出をコントロールすることだ。つまり地域の若者が地元で働き、地元で結婚して子育てをするような環境を整備することしか地方の人口減を食い止める方策はないといっても過言ではない。

まず少子化の問題で出るのが『待機児童の解消』など、子供を預かる環境が整っていないから「生みたくても生めない」という意見。もちろん晩婚化や経済的理由、夫婦間の関係など様々な要因があるが、昔と比べてそれほど子育ての環境が悪化しているのだろうか?むしろ「仕事」と「子育て」が両立しにくく、子育てが妻一人の負担になっている状況の改善こそが必要だろう。

それは産休後の職場復帰や『イクメン』に代表される“夫の育児休暇取得”といった制度的な問題よりも、むしろ子育てが「孤独な環境で行われている」という母親の心理的影響も決して小さくない。高齢者の孤独死や犯罪防止なども含めて、近隣との人間関係を深め、コミュニティ形成に繋がるような住宅の形が欧米では研究され、共助が可能な住環境も登場している。

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Posted by cms_hiroshima at 10:00