2020年04月21日

感染リスクとソーシャルディスタンス

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未来の記録として、全国に歴史上はじめて『緊急事態宣言』が発令された状況と私の所感を投稿しておきます。

投稿している現在、日本全体の新型コロナウィルスの感染が1万人を越え、広島県内の感染者は130名程度。280万人の県民なので分かりやすく280人としても1万人に1人の感染です。東京23区の区別のデータをみると4月19日現在のデータで荒川区(人口約28万人)は、人口10万人あたり5.99人の感染者。つまり感染が拡大し、人の移動の多い都内でも区によって1万人に1人未満が「陽性」と判断されている状況です。

PCR検査が少ないから、海外に比べて陽性患者が少ないという意見も多いものの、そうであれば地域に密着した診療所や個人医院、クリニックなどに高熱の外来が増えてニュースにもなり、肺炎の死亡者も増えるでしょうが、インフルエンザの流行さえ抑えられている様子。

画像は、広島市内のホームセンターのレジ前に表示された待機場所のシール。いわゆる『ソーシャル・ディスタンス』と呼ばれる、お互いに配慮した「人との距離を保つ柔らかなルール」です。

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Posted by cms_hiroshima at 17:43

2020年03月18日

新型コロナウィルスの住宅建築への影響

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6年前の今頃は、消費増税の駆け込み需要によって、建築現場に資材が入らないといった混乱が生じていたことを、自分のフェイスブックの過去の投稿で知りました。お節介にもフェイスブックは過去のその日の投稿を知らせてくれますが、すっかりと忘れていました。

先週末、広島市西区で50坪を超える二世帯住宅の棟上げを終えました。朝8時前に現場に到着し、現場監督や大工さんたちの話を聞くと「今回の新型コロナの影響で、鋼製束や釘などの建築金物が中国からの輸入で入荷ストップしていて、すでに材料発注済みの現場以外は着工の見通しが立たない」という話題で驚きました。

リフォームの現場では、やはり中国で生産している衛生陶器(TOTOやINAX等)が入荷できず、便器が据え付けられないためお引渡しも工事代金回収もできず困っているという話を複数から耳にしましたが、新築現場でも深刻な状況になっています。

今の現場は、釘打ちもマシンガンのような機械で打ち込むため、昔の大工さんたちのように釘を口の中にくわえ、1本づつ金づちで打ち込むようなことはなく、国内で製造されている釘は昔ながらのものしかないようです。まさにマスク生産の8割が中国で、国内のマスク不足が深刻になったように、他の国に依存した生産や経済がいかにもろいかを今回再認識させられました。

少なくとも、住宅建築はやはり出来るだけ地元の材料、地元の職人たちが出来るような生産システムが、リフォームも含め将来にわたって持続可能性があると気づかされた新型コロナウィルスの影響です。

アメリカでさえ、ユニットバスなどはなく、風呂は職人たちが組み立てて左官やタイル張りをしています。もはや新築市場が縮まることを考えると、日本に住宅を大量供給するハウスメーカーは不要な存在になっていく、そのキッカケを今回のパンデミックが早めてくれたと考えれば、これから新しい住宅産業の在り方が模索されるようにも感じますね。
  
Posted by cms_hiroshima at 12:11

2018年07月14日

矢野・坂地区のお客様の無事を確認!

西日本豪雨の爪痕
連日のように全国放送で被災状況が流れているのでご存じの通り、7月6日の大雨警報から降り続いた雨が、広島県の東部地域を壊滅的に破壊しました。4年前に発生した『広島土砂災害』以上の規模と範囲が、未曽有の被災状況となっています。(まだ現在進行中)

私事ですが、大雨が降り始めた7月6日は広島市中心部も道路の冠水が見られたので、早めに帰宅しましたが翌日7日の早朝、妻の母が入院先の広島市内の病院で病気による心肺停止になり、朝5時過ぎには帰らぬ人となりました。取り急ぎ、実家のある周防大島で通夜や葬儀を行いましたが、この間道路も鉄道も大雨で寸断され、親族も立ち往生するなど、慌ただしく哀しい週末を過ごしました。

週が明けて、次々と明らかになる豪雨による被害の拡大と、交通機能のマヒは、想像を超え、当社サービスを利用されて新築をお引渡ししたお客さんの安否確認をするのがやっとの状況です。昨日(7月13日)も、被害が大きかった安芸区や坂町方面のお客さんの様子を確認できればと、国道2号線で向かったものの、大渋滞で車が動かず、知人は16Kmのバスでの帰宅に5時間半掛かったということでした。

ようやく本日、国道2号線の混雑が緩和していたので、まずは被害の大きかった安芸区矢野と坂町方面のパトロールに出かけました。画像は、偶然にもちょうど10年前、2008年7月14日にお引渡しした安芸区矢野西のお客さんの自宅近くにたどり着いて撮った写真です。

道路の左側に流れる小さな川は、上流の矢野東で砂防ダムを超えて土砂災害で家々が流された土砂で埋まり、雨が止んで5日も経つのに、水が溢れんばかりに流れていました。川の左側が矢野東、右側が矢野西地区です。

この写真のまだ上流、100m程度先にお客さんの家と自家用車の無事を目にして、一安心。砂埃が舞い、多くのボランティアや地元住民が道路の泥撤去作業をする中、次のお客さんの自宅確認に急ぎました。

結局、矢野西地区4軒、矢野東地区2軒、坂町1軒のお客さんの無事と、建物自体損傷も水害も遭っていないことが確認できました。弊社サイトのお客様の声でご家族の顔写真をみると、胸を撫で下ろします。
https://cms-hiroshima.com/reason_tax/akiku/ 

途中、当社サービスでトップクラスの落札実績を持つ工務店の新築現場にも遭遇し、旧知の担当者にも会うことが出来ました。そのお宅も、完成間際で危うく被災する寸前、ギリギリ水難を逃れたそうです。

建物をどれほど上部に高性能に建てたとしても、津波や土石流などには勝てません。やはりどこに家を建てるか?」ということの重要性が高まったのが、今回の水害の教訓です。  
Posted by cms_hiroshima at 15:05

2018年03月11日

あの日から7年経過・・・

あの日から7年が経ちました。

今週は追悼番組が続いていますが、陸前高田市でまだ仮設住宅から出ることの出来ない方を取材していました。
 
津波の傷跡が残る陸前高田に行ってから6年近く経ちますが、東京の未曾有の建築ラッシュとの対比が痛ましく感じます。

陸前高田市視察
震災1か月後に書いたコラム、あの当時が思い起こされますね・・・。
https://cms-hiroshima.com/answers/column/059/

  
Posted by cms_hiroshima at 14:00

2016年07月13日

土地の振動と建物の揺れの差が分かる熊本地震レポート

益城町の様子−1熊本地震からおよそ3ヶ月、ようやく落ち着きを取り戻しながら、被災の状況も残る熊本県益城町の中心部まで足を延ばしてきました。特に私が注目したのは、業界専門紙で取材されていた建物被害状況で、単に建物自体の『耐震性能』や『築年数』よりも、むしろ立地条件によって建物の揺れ方が異なり、それが被害の差になったのではないだろうかと感じたことです。

その仮説を確かめるために、記事中の建物写真や航空写真から場所を特定し、実際に自らの目で確かめてきました。

この画像を見ても分かる通り、白い矢印で示した「ブロック塀」などは、古い7段積みのコンクリートブロックなので倒れていても不思議ではありません。私が立っている道路に面した両側の建物は、せいぜい「要注意判定」で、他のブロック塀も倒れておらず、補修すれば住めそうな建物ばかりでした。

にも関わらず、奥の傾いた建物が見える半径50m程度のエリアでは、去年(2015年)建て替えられた新築の住宅が、何とかそのままの形で残り『要注意判定』の黄色い張り紙をされている以外は、2006年の新しい耐震基準で建てられた住宅も本震で倒壊し、すでに周辺の建物はほとんど取り壊されて、解体された残材が一部残されているという状態でした。
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Posted by cms_hiroshima at 18:15Comments(0)TrackBack(0)