2022年05月31日

断熱工事と気密測定

気密測定
前回の投稿では、工事お引渡し直前の気密測定の様子をご紹介しました。
こちらの現場では、前回とは別の工務店により断熱材を挿入した段階とお引渡し前の2回気密測定をすることになっており、5月末に最初の気密測定を行いました。

この段階では、まだ玄関ポーチや玄関内にタイルも張っておらず、室内も石膏ボードや床材も張っていない状態なので、極端に言えば”構造体と断熱材だけで隙間がないかどうかを確かめる”という測定です。もちろんサッシは入っていますが、換気用の吸気口など外壁に空いている穴を養生シートで塞ぐなど、手間の掛かる作業などを経て、計測を行いました。

室内の仕上げまで終わってからの気密測定は、この段階よりも良い数値になるのは間違いありませんが、一発勝負となるため、2回に分けての測定です。なぜなら、想定よりも悪い数値であっても、仕上げを剥がして隙間を埋める作業などは、雨漏りを探す以上に大変な作業となるため、この段階での数値を把握しておきたいというのが施工者側の心情です。

結果は十分期待する数値の範囲内に収まっていました。竣工前に行われる第2回めの気密測定が楽しみです。  

Posted by cms_hiroshima at 17:00

2022年02月20日

寒くなるほど気密が大切!

気密測定
雪のちらつく寒い2月19日(土)、完成内覧会が終わった夕方に施主立会いの上で気密測定を行いました。「気密」とは、建物の隙間を床面積で割って性能を比較するもので、測定結果は「cm2/m2」という単位で表示されます。つまり床面積1平方メートルあたり、どのくらいの隙間があるのか、測定器で負圧を掛けて入ってくる空気の量で測ります。隙間が少なければ、それだけ吸い込む圧力が大きくなり、吸気ファンに負荷が掛かります。

空気は暖かければ軽くなって上昇し、冷たい空気は床付近に滞留します。温度差があるほど空気は対流し、室内と戸外との温度差が大きいほど熱は早く移動するから、隙間があればそこから外気が進入してきます。いかに断熱材を厚くし、サッシを高性能にしても、温めたエネルギーが隙間から漏れてしまうから、建築時に隙間の小さな家をつくることが必須です。さらにいえば、水蒸気を含んだ室内の空気が、壁の内部などに入ることで、壁体内結露を生じさせ、木造住宅の耐久性にも影響を及ぼすから、建物内で気流が生じないよう、気密が大切になるのです。


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Posted by cms_hiroshima at 17:48

2021年09月11日

ウッドショック以上に深刻な大工の高齢化・・・

棟上げの様子
公開投稿としてのブログは久しぶりの更新となりました。
この間、大雨による自然災害や、新型コロナの第5波による外出制限、飲食店の営業自粛など、明るい話題を探すほうが難しい状況が続きました。国民の多数が開催に反対するはめになった東京オリンピックは、無観客ながら無事開催され、先ごろパラリンピックも史上二番目のメダル獲得で閉幕しました。目に見えないウイルスのお陰で、国民を二分するような議論になりましたが、私はこのスポーツの祭典を開催してよかったと思います。

さて、住宅業界に話を転じると、このパンデミックによって輸入木材に頼る日本の木造住宅が、輸出国の木材を出荷する港の荷役労働者が、ロックダウンなど新型コロナの影響で不足し、大量のコンテナが滞留、貨物船に積まれた輸入コンテナも海上で待機するなど、世界的に空きコンテナの不足などの連鎖的な船便停滞を招いたようです。その上に米国経済の復活で、建売中心のアメリカ経済で住宅需要が再燃、中国の建築ラッシュなどもあって、日本に構造材が入ってこないという『ウッドショック』と呼ばれる現象で、国内の建築価格の急上昇、材料が調達できないと言った混乱が起きています。

昨日(9月10日)に棟上げをした画像の現場も、ウッドショックの影響を受けましたが、当初「杉材」だった柱が調達できず、同じ価格で余っていた「ヒノキ材」を使うことが出来、施主にとっては棚ぼた的な状況となりました。赤みの入った杉材に比べ、柱が白いのが写真でも伝わると思います。

今後、まだまだ国内ではウッドショックの影響が拡がり、収束は見えませんが、それでも去年のマスク騒動や東日本大震災時のユニットバス等の部材調達の滞留と同様、ときが解決してくれる一時的な危機でしかありません。棟上げで気づいたのは、当日応援含めて8人程度集まる大工の中で、還暦を超えてしまった今年61歳の私よりも年上の大工が過半数だったこと。

この状況は数年で改善することはあり得ず、益々悪化していくばかりです。たとえプレカットなどの機械化・システム化や大工道具の進化などがあっても、建築現場の人不足、高齢化は深刻です。これこそ未来のリスクとして、業界を挙げて取り組まなければならない共通のテーマです。  
Posted by cms_hiroshima at 15:00

2020年03月18日

新型コロナウィルスの住宅建築への影響

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6年前の今頃は、消費増税の駆け込み需要によって、建築現場に資材が入らないといった混乱が生じていたことを、自分のフェイスブックの過去の投稿で知りました。お節介にもフェイスブックは過去のその日の投稿を知らせてくれますが、すっかりと忘れていました。

先週末、広島市西区で50坪を超える二世帯住宅の棟上げを終えました。朝8時前に現場に到着し、現場監督や大工さんたちの話を聞くと「今回の新型コロナの影響で、鋼製束や釘などの建築金物が中国からの輸入で入荷ストップしていて、すでに材料発注済みの現場以外は着工の見通しが立たない」という話題で驚きました。

リフォームの現場では、やはり中国で生産している衛生陶器(TOTOやINAX等)が入荷できず、便器が据え付けられないためお引渡しも工事代金回収もできず困っているという話を複数から耳にしましたが、新築現場でも深刻な状況になっています。

今の現場は、釘打ちもマシンガンのような機械で打ち込むため、昔の大工さんたちのように釘を口の中にくわえ、1本づつ金づちで打ち込むようなことはなく、国内で製造されている釘は昔ながらのものしかないようです。まさにマスク生産の8割が中国で、国内のマスク不足が深刻になったように、他の国に依存した生産や経済がいかにもろいかを今回再認識させられました。

少なくとも、住宅建築はやはり出来るだけ地元の材料、地元の職人たちが出来るような生産システムが、リフォームも含め将来にわたって持続可能性があると気づかされた新型コロナウィルスの影響です。

アメリカでさえ、ユニットバスなどはなく、風呂は職人たちが組み立てて左官やタイル張りをしています。もはや新築市場が縮まることを考えると、日本に住宅を大量供給するハウスメーカーは不要な存在になっていく、そのキッカケを今回のパンデミックが早めてくれたと考えれば、これから新しい住宅産業の在り方が模索されるようにも感じますね。
  
Posted by cms_hiroshima at 12:11

2018年06月25日

増えるコンセントBOX

電気配線とコンセントBOX
先週発生した大阪北部の地震では、阪神淡路だけでなく、その後の東日本や熊本地震など、あれほど何度も震災に遭い、防災対策を進めたはずの日本で、大都市のもろさが露呈したような気がします。特にブロック塀の倒壊で亡くなった方がいたのはとても残念でした。ご冥福をお祈りいたします。

さて、広島市南区で建築中の現場も、断熱工事に入りました。壁は高性能グラスウールの充填断熱ですが、白い断熱材に点在しているのは何だか分かりますか・・・?

タイトルに書いている通り、コンセントやスイッチのBOXです。
注文住宅なので、数も位置・高さも自由で、カウンターや収納家具の位置、家電製品の設置場所などに応じて、タコ足配線はおろか、出来るだけ電源コードもごちゃごちゃしないようにコンセントやスイッチを計画します。

家事動線を重視して、キッチンや家事室などを機能的に整理したら、壁面にこれだけのBOXが集中しました。外壁に面した場所では、BOX分、断熱材の厚みが確保できないので、断熱性能的には外貼りを付加してW断熱にしたほうが良かったかも知れません。とはいえ、隣地との間隔が少ないこととコストがかなりUPし、費用対効果は実感できないので、間仕切り壁や袖壁などに移動できるものを検討してチョイスするのが現実的です。

この建物は、お引渡し前に気密測定を行いますが、おそらくかなりいい数値が期待できそうです。また測定できたらこのブログで報告しますね!
  
Posted by cms_hiroshima at 18:17