2022年12月15日
広島経済大学での特別講義終えました。
2022年06月07日
廿日市でお引渡しを終えました。
6月に入り、毎日発表される新型コロナの感染数字はそれほど下がっていないものの、医療が逼迫するような状況は過ぎ去り、次第に日常を取り戻してきました。国内の移動制限もほぼ無くなり、徐々に屋外ではマスクを外しても大丈夫な状況が近づきつつあります。
さて、このたびお引渡しした廿日市市のお客様は、神奈川県に住む息子さんからの相談で、一人暮らしになってしまったお母さんの新居建築サポートでした。新型コロナ禍の真っ最中での遠隔打合せとなりましたが、この間必須ツールとなったオンライン会議の「ZOOM」を利用し、工務店とご自宅にいるお母さん、神奈川の息子さんと私の4者が、それぞれZOOMに参加して、多くの打合せ、図面の説明などを行なって、このお引渡しの日を迎えました。
画像は、お客様の声のアンケートにお答えいただいたプレゼントとしてお渡ししている100分の1の精密な模型を贈呈しているところです。70歳代の女性一人で家づくりをする不安感や不自由さはまったくなく、息子さんにも評価いただいて、無事お引渡しを終えました。お客様の声は以下のリンクにてお確かめ下さい。
https://cms-hiroshima.com/reason/109/
2022年05月31日
断熱工事と気密測定
前回の投稿では、工事お引渡し直前の気密測定の様子をご紹介しました。
こちらの現場では、前回とは別の工務店により断熱材を挿入した段階とお引渡し前の2回気密測定をすることになっており、5月末に最初の気密測定を行いました。
この段階では、まだ玄関ポーチや玄関内にタイルも張っておらず、室内も石膏ボードや床材も張っていない状態なので、極端に言えば”構造体と断熱材だけで隙間がないかどうかを確かめる”という測定です。もちろんサッシは入っていますが、換気用の吸気口など外壁に空いている穴を養生シートで塞ぐなど、手間の掛かる作業などを経て、計測を行いました。
室内の仕上げまで終わってからの気密測定は、この段階よりも良い数値になるのは間違いありませんが、一発勝負となるため、2回に分けての測定です。なぜなら、想定よりも悪い数値であっても、仕上げを剥がして隙間を埋める作業などは、雨漏りを探す以上に大変な作業となるため、この段階での数値を把握しておきたいというのが施工者側の心情です。
結果は十分期待する数値の範囲内に収まっていました。竣工前に行われる第2回めの気密測定が楽しみです。
2022年02月20日
寒くなるほど気密が大切!
雪のちらつく寒い2月19日(土)、完成内覧会が終わった夕方に施主立会いの上で気密測定を行いました。「気密」とは、建物の隙間を床面積で割って性能を比較するもので、測定結果は「cm2/m2」という単位で表示されます。つまり床面積1平方メートルあたり、どのくらいの隙間があるのか、測定器で負圧を掛けて入ってくる空気の量で測ります。隙間が少なければ、それだけ吸い込む圧力が大きくなり、吸気ファンに負荷が掛かります。
空気は暖かければ軽くなって上昇し、冷たい空気は床付近に滞留します。温度差があるほど空気は対流し、室内と戸外との温度差が大きいほど熱は早く移動するから、隙間があればそこから外気が進入してきます。いかに断熱材を厚くし、サッシを高性能にしても、温めたエネルギーが隙間から漏れてしまうから、建築時に隙間の小さな家をつくることが必須です。さらにいえば、水蒸気を含んだ室内の空気が、壁の内部などに入ることで、壁体内結露を生じさせ、木造住宅の耐久性にも影響を及ぼすから、建物内で気流が生じないよう、気密が大切になるのです。
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2021年11月12日
大安吉日のお引渡し
2ヶ月ぶりの更新となりましたが、新型コロナの第5波もすっかり落ち着き、少しずつ日常を取り戻しつつあります。とはいえ、まだ外で歩いている人でもマスクを付けて行動しています。
今日は大安の日で、平日ながらお引渡しがありました。ワンちゃんを含めて5人+1匹のご家族の家です。施工を担当した工務店側がレッドカーペットを用意し、出会いから完成まで、ドローン映像も含めて数分の動画にまとめてご家族にも家造りを振り返ってもらいました。
当社も、サービスを利用された感想を『私たちが決めた理由』というページにご協力いただいたお客様にお渡しする完成模型を用意し、お渡ししました。設計図書から起こした100分の1の精密なペーパー模型なので、ご家族も模型をお披露目すると「おぉ〜っ!」と思わず声が上がりました。以下、頂いたお客様の声をリンクしておきますね!
https://cms-hiroshima.com/reason/107/
2021年09月11日
ウッドショック以上に深刻な大工の高齢化・・・
公開投稿としてのブログは久しぶりの更新となりました。
この間、大雨による自然災害や、新型コロナの第5波による外出制限、飲食店の営業自粛など、明るい話題を探すほうが難しい状況が続きました。国民の多数が開催に反対するはめになった東京オリンピックは、無観客ながら無事開催され、先ごろパラリンピックも史上二番目のメダル獲得で閉幕しました。目に見えないウイルスのお陰で、国民を二分するような議論になりましたが、私はこのスポーツの祭典を開催してよかったと思います。
さて、住宅業界に話を転じると、このパンデミックによって輸入木材に頼る日本の木造住宅が、輸出国の木材を出荷する港の荷役労働者が、ロックダウンなど新型コロナの影響で不足し、大量のコンテナが滞留、貨物船に積まれた輸入コンテナも海上で待機するなど、世界的に空きコンテナの不足などの連鎖的な船便停滞を招いたようです。その上に米国経済の復活で、建売中心のアメリカ経済で住宅需要が再燃、中国の建築ラッシュなどもあって、日本に構造材が入ってこないという『ウッドショック』と呼ばれる現象で、国内の建築価格の急上昇、材料が調達できないと言った混乱が起きています。
昨日(9月10日)に棟上げをした画像の現場も、ウッドショックの影響を受けましたが、当初「杉材」だった柱が調達できず、同じ価格で余っていた「ヒノキ材」を使うことが出来、施主にとっては棚ぼた的な状況となりました。赤みの入った杉材に比べ、柱が白いのが写真でも伝わると思います。
今後、まだまだ国内ではウッドショックの影響が拡がり、収束は見えませんが、それでも去年のマスク騒動や東日本大震災時のユニットバス等の部材調達の滞留と同様、ときが解決してくれる一時的な危機でしかありません。棟上げで気づいたのは、当日応援含めて8人程度集まる大工の中で、還暦を超えてしまった今年61歳の私よりも年上の大工が過半数だったこと。
この状況は数年で改善することはあり得ず、益々悪化していくばかりです。たとえプレカットなどの機械化・システム化や大工道具の進化などがあっても、建築現場の人不足、高齢化は深刻です。これこそ未来のリスクとして、業界を挙げて取り組まなければならない共通のテーマです。
2021年05月30日
永年継続企業表彰を受けました!
新型コロナによる緊急事態宣言が6月20日まで延長され、宣言下の広島では様々なイベントや会合がリモート開催や中止となっています。
画像は、広島商工会議所から頂いた『開設永年継続企業』に送られる表彰状で、創業から20年経ってはじめて表彰対象となる、中小企業にとっては「栄誉ある」賞状です。今後10年ごとにしか表彰はされず、今回は表彰式のイベントも中止されたので、もう10年続くと改めて表彰式に招待されるはずです。
この賞を頂いたからといって、特別地域社会に貢献したことにはなりません。とはいえお客様に継続的に支持されなければ企業は存続できず、今のように会社やサービスの新陳代謝が激しい時代、パナソニックや東芝など日本を代表する企業でさえ厳しい経営にさらされていることを考えると、有り難い話です。
もう少し、住宅・不動産以外にも地域の課題解決に貢献し、感染症のパンデミックにより元気を失いつつある広島を元気にするよう、これからの10年間活動する所存です。
2021年01月28日
入居後の暮らしぶりを取材をしました。
世の中新型コロナで一変しましたが、住宅のあり方も大きく変化しています。
令和元年にお引渡しした安佐南区のお客様も、新型コロナによってそれまでの出張の日々から、出勤さえも制限され、自宅で働くリモート勤務が当たり前になりました。
新居の1階は、出張用にスーツケースや着替え類をすぐに準備できるように広めのウォークインクローゼットを設け、2階にはご主人専用の書斎を階段脇に配置していましたが、リモートワークになってもこの間取りは十分生かされていました。
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2020年12月12日
衰退する街の再生に取り組み始めました!
新型コロナウイルスによって、予想もしなかった1年となった2020年ですが、ここ数年は住宅の仕事以外に街づくりの相談も増えてきて、このたびは広島市の中心市街地の活性化にも携わるようになってきました。これは、住宅地の視察で海外の住宅事情などを知り、単に”個人の敷地に建つ一戸の住宅”の性能やデザインを追求するのではなく、住みやすさや建物の資産価値、近隣のコミュニティなどは、都市計画やランドスケープデザインなど、街づくり全体を考える必要性を感じて、広島市の都市計画審議会の委員になるなど、街づくりへの情報発信、提言への共感が拡がってきたようです。
このたびご紹介するのは、政令指定都市の広島市内中心部でも、身体のヘソにあたるような中心地『中区袋町・中町』を、平和大通りから本通り商店街に南から北に向かう一方通行路の賑わいを再生するプロジェクトです。
通常、賑わっている通りは愛称などが付けられ、例えば本通り商店街のすぐ南側に並行して走る、東西の2本の通りは、地元商店主たちが「うらぶくろ商店街」という名前をつけ、それが市民の間にも浸透してきました。今回はこの「うらぶくろ通り」と直行する通りに面して、約90mにもわたる建物が長らくファサード(正面)を閉めたまま、都心の衰退の象徴にさえなっていたNTT袋町ビルを、何とか街の再生に協力してもらおうと、今年1月くらいから動き始め、まだ新型コロナの緊急事態宣言が出される前の今年3月はじめに提案書をまとめ、紆余曲折を経てこのたび、まずは暗かった壁面をきれいにリニュアルし、昨日(12月11日)お披露目のセレモニーが開催されました。
2020年11月19日
新型コロナ禍のお引渡し
久しぶりの投稿となりました。
前々回の3月18日に投稿した二世帯住宅の棟上げの現場ですが、新型コロナの影響も多少あり、外構工事などもこだわったので、ようやく10月中旬にお引渡しを終えました。フェイスブックではほぼ毎日投稿していますが、ブログは気づくとお引渡しからさらに一ヶ月が経過していました。(笑)
こちらの建物は、基礎断熱を行い、床下エアコンで基礎全体を暖房することで、真冬でも床暖房不要の温かい室内が実現できるように高気密高断熱住宅で建てました。床のフローリングの窓際に見える”ガラリ(スリット)”は、床下から暖められた空気が上昇気流となって、サッシのガラス面の温度が下がり「コールドドラフト」と呼ばれる現象を打ち消す仕掛けです。もちろん、サッシも省エネ性能の高い樹脂サッシで、スペーサーも樹脂製です。
お引渡しに先駆け、施主立ち会いのもと気密測定も行いました。”相当隙間面積”と呼ばれる気密数値C値=0.4cm2/m2と、建物精度の高さも確認でき、お客様の声のアンケートにご協力いただくとプレゼントする完成模型の贈呈も行いました。
105組目のお客様の声もご紹介しておきます。
https://cms-hiroshima.com/reason/105/
2020年04月21日
感染リスクとソーシャルディスタンス
未来の記録として、全国に歴史上はじめて『緊急事態宣言』が発令された状況と私の所感を投稿しておきます。
投稿している現在、日本全体の新型コロナウィルスの感染が1万人を越え、広島県内の感染者は130名程度。280万人の県民なので分かりやすく280人としても1万人に1人の感染です。東京23区の区別のデータをみると4月19日現在のデータで荒川区(人口約28万人)は、人口10万人あたり5.99人の感染者。つまり感染が拡大し、人の移動の多い都内でも区によって1万人に1人未満が「陽性」と判断されている状況です。
PCR検査が少ないから、海外に比べて陽性患者が少ないという意見も多いものの、そうであれば地域に密着した診療所や個人医院、クリニックなどに高熱の外来が増えてニュースにもなり、肺炎の死亡者も増えるでしょうが、インフルエンザの流行さえ抑えられている様子。
画像は、広島市内のホームセンターのレジ前に表示された待機場所のシール。いわゆる『ソーシャル・ディスタンス』と呼ばれる、お互いに配慮した「人との距離を保つ柔らかなルール」です。
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2020年03月18日
新型コロナウィルスの住宅建築への影響
6年前の今頃は、消費増税の駆け込み需要によって、建築現場に資材が入らないといった混乱が生じていたことを、自分のフェイスブックの過去の投稿で知りました。お節介にもフェイスブックは過去のその日の投稿を知らせてくれますが、すっかりと忘れていました。
先週末、広島市西区で50坪を超える二世帯住宅の棟上げを終えました。朝8時前に現場に到着し、現場監督や大工さんたちの話を聞くと「今回の新型コロナの影響で、鋼製束や釘などの建築金物が中国からの輸入で入荷ストップしていて、すでに材料発注済みの現場以外は着工の見通しが立たない」という話題で驚きました。
リフォームの現場では、やはり中国で生産している衛生陶器(TOTOやINAX等)が入荷できず、便器が据え付けられないためお引渡しも工事代金回収もできず困っているという話を複数から耳にしましたが、新築現場でも深刻な状況になっています。
今の現場は、釘打ちもマシンガンのような機械で打ち込むため、昔の大工さんたちのように釘を口の中にくわえ、1本づつ金づちで打ち込むようなことはなく、国内で製造されている釘は昔ながらのものしかないようです。まさにマスク生産の8割が中国で、国内のマスク不足が深刻になったように、他の国に依存した生産や経済がいかにもろいかを今回再認識させられました。
少なくとも、住宅建築はやはり出来るだけ地元の材料、地元の職人たちが出来るような生産システムが、リフォームも含め将来にわたって持続可能性があると気づかされた新型コロナウィルスの影響です。
アメリカでさえ、ユニットバスなどはなく、風呂は職人たちが組み立てて左官やタイル張りをしています。もはや新築市場が縮まることを考えると、日本に住宅を大量供給するハウスメーカーは不要な存在になっていく、そのキッカケを今回のパンデミックが早めてくれたと考えれば、これから新しい住宅産業の在り方が模索されるようにも感じますね。
2020年01月10日
ハリウッドスターと”志”を語り合う!
令和2年になっての初投稿です。
昨年12月に『住宅プロデューサー養成講座』の報告をしましたが、別のイベントで昨年末に東京出張した折に、ハリウッドで活躍するコメディアン兼俳優の神田瀧夢(かんだろむ)さんの講演会に参加してきました。
日本ではあまり知られていない瀧夢さんですが、米国の三大ネットワークABCテレビの人気番組「I Survived a Japanese Game Show」の司会を務め、全世界150か国で放映されるなど、世界中で顔と名前が知られた有名な米国在住日本人タレントです。
今回の講演では、日本の起業家や経営者対象に『夢を実現させるために必要な準備と心構え』と題して、ご自身が英国からアメリカに渡り、いかに数多くの壁にぶつかりながら、それを乗り越えて、その先の大きな夢にチャレンジしているのか、現在・過去・未来にわたる話を聞くことが出来ました。
瀧夢さんは、若き頃英国で経験した日本と日本人の知名度の低さをバネに、世界中で日本の文化や技術力、日本の良さを知ってもらう役目を果たそうと「志」を立てました。そのために帰国後に武術から伝統芸能、茶道・華道などをマスターすることから再出発し、米国に渡って、NYからハリウッド、コメディアンでの成功にあきたらず、アカデミー助演男優賞受賞を目指し、現在活動をしています。
「神様は、自分が乗り越えられない壁はつくらない」という信念で、チャレンジを重ね、2017年にアカデミー賞を受賞した『ラ・ラ・ランド』の主演女優、エマ・ストーンとの共演を強くイメージし続け、何と同年9月にエマ・ストーン主演のTVドラマのオーディション参加のオファーが届きます。
日本人ドクター村木役は、アジア系の男性であれば誰でもよいと、150人の応募の中から二次オーディションに進み、何とエマ・ストーンとの共演を勝ち取りました。現在ネットフリックスで『MANIAC(マニアック)』という番組に出ています。
私は、彼の志を実現させるために、ハリウッドの俳優としての成功だけでなく、大阪出身の瀧夢さんが、来る2025年開催の大阪万博で、観光PR大使として、世界中に日本製品や日本文化を売り込み、世界中の津々浦々にもっと日本に関心を持ってもらう役目を果たしてもらえるのではないかと思い、瀧夢さんに提案してみました。
私の志は「日本人が住宅取得によって豊かさを感じる社会をつくる」というもの。それは地域の風景や文化をつくることにもつながり、住宅ローンを組んでも資産形成に寄与する欧米のような社会の実現です。そのための人材育成として『住宅プロデューサー育成協会』の活動があり、「あなたの志が活きる資格です」と書かれたチラシを持って、瀧夢さんとツーショット記念写真を撮ってもらいました。
とってもいい刺激と出会いを頂いた神田瀧夢さんの講演会参加です。
2019年12月03日
住宅プロデューサー養成講座はじまる!
しばらく投稿していなかったと思ったら、12月に入ってから”令和初”の投稿になってしまいました。この間、もちろん元気に活動していましたし、新しい活動として『住宅プロデューサー養成講座』も開講し、主要講師のひとりとして、東京・大阪にて講座を担当してきました。
この講座は、元々建築家コンペのサービス『ザウス』を創設して、住宅プロデュース業を世に問うた水田耕三さんが今年になって設立した一般社団法人日本住宅プロデューサー育成協会が実施するプロ向け講座。講師は水田さんや私のほか、ハウスメーカーやゼネコンなどの建築トラブル、欠陥の発覚などでは必ずと言っていいほどテレビに出演して解説役を果たしている日本建築検査研究所の岩山健一さんなど、そうそうたるメンバーにより運営されています。
画像は岩山健一さんの『インスペクターの目から診る欠陥住宅12のポイント』の講義の様子。鉄骨系の大手ハウスメーカーの瑕疵検査(欠陥住宅)の様子で、床下を潜ったときの断熱欠損などを解説していました。
当協会では、志を持って住宅・不動産業界に入りながら、利益重視の会社の体質や上司への不信感などで業界を去り、外資系生保業界などでFP資格を取って、住宅取得資金の相談に応じているような業界経験者で、もう一度住宅の仕事に復帰したいとか、現在のクライアントに新たなサービスを提供したいと考えているような方々に、新しい知識と資格を提供しようという講座を開講しています。
「住宅業界はクレーム産業」と言われるような悲しい状態で仕事を続けるのではなく、住宅業界で顧客満足度の高い仕事をするための総合力を身に付け、お客様とともに家づくりに喜びを感じるプロの人たちを育てていく所存です。詳しくは、以下のサイトにアクセスしてみて下さい。
https://jjpk.org/
2019年04月21日
笑顔あふれるエコタウン『Eco-Viikki』
北欧の国フィンランド旅行の報告第二弾は、首都ヘルシンキ市郊外の実験都市『エコ・ヴィーッキ』の訪問です。ヘルシンキの中心部から北東に直線距離で約8Kmの未開拓地、ヘルシンキ大学の実験農場として利用されていた約24ヘクタールの土地に、エコロジカルでサスティナブルな住宅地で約800世帯、1,700人の人々が暮らすエコタウンです。
1994年からフィンランド政府環境省とヘルシンキ都市計画局が中心となってコンペ開催によって開発がスタートし、2003年に完成した国家的実験プロジェクトで、今でも環境評価のモニタリングが行われている先進的サステイナブルタウンです。
公共交通機関が発達し、1日公共交通乗り放題のワンデイチケット9€(約1,100円)を買えば、ヘルシンキ都市圏のトラム(路面電車)、地下鉄、バス、近郊フェリーが乗り放題でした。人口60万人の都市で、トラムは網の目のように11路線、地下鉄まであるのです。私もホテルでワンデイチケットを購入し、このエコヴィーッキへも地下鉄とバスを乗り継いで、ひとりでこの街を訪れてみました。ヘルシンキ中央駅から乗り換え含め1時間弱のミニ旅行です。
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2019年04月14日
北欧への旅行
新年度がスタートし、新しい元号も発表がありました。ブログの更新が止まっていましたが、新年度早々北欧の国フィンランドの首都ヘルシンキに旅行に行っていましたので、数回にわたって住宅や建築に関連する情報をご紹介したいと思います。
今回はプライベート旅行で、2人の子供が成人したということもあって、新婚旅行以来の夫婦2人の海外旅行でした。ずっと予定していたものではなく、たまたま今年のお正月に買い物をした時に、新春のお年玉懸賞に応募した妻に、フィンランド旅行の優待券(「無料招待」は外れ、一部費用負担)が当選したということです。
フィンランドの予備知識はほとんどありませんでしたが、エコロジーな住宅地開発で書籍化されていたヘルシンキ郊外の実験プロジェクト『Eco-Viikki』(エコ・ヴィーッキ)は、以前買って読んでいたので、すぐに思い出して渡航前に下調べしました。
また有名な建築家で「アルヴァー・アアルト」がいて、建築デザインも見どころがいっぱいの地域です。エコ・ヴィーッキをグーグルアースで場所調べをした時に、ヘルシンキの中心街の建物が、あまりにも規則正しく、高さも大きさも整っていたので驚いたことも思い起こされ、実際に現地に行ってみると画像の通り、大聖堂以外は本当に建物が整っていることが分かります。(画像は埠頭にある展望デッキから見た市庁舎や大統領官邸)
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2019年03月25日
ひろしま都心活性化プラン(素案)への意見|6.土地需要の減退と地価推移予測
前回のブログでは「5.出生率の増加策と移住・定住者への魅力の創出」というタイトルで、人口減少を抑制するために”この町に住みたい”と感じてもらえるような街づくりについて書きました。関連するテーマで、今回は土地の需要に関して書いていきます。
6.土地需要の減退と地価推移予測
続きを読む経済のグローバル化が進み、またネット社会の進展が加速化すれば、高度成長期の都市の膨張により郊外立地から市街地に飲み込まれていった工場や物流拠点、そして大規模小売店舗などは、より「地価が安く」そして「労働賃金の低い」「交通アクセスが便利な」地域に移動していくのは必然だろう。残された工場跡地、物流センターの敷地は、仮にそのまま広大な敷地を別の用途として利用しても、雇用はほとんど「非正規労働」で「低賃金」しか見込めない。
また都市近郊の鉱工業(町工場)や商業が混在した地域では、企業の事業規模縮小や統廃合、郊外や海外移転など、今後土地需要は減退していくばかりではないだろうか。それでも過去15年間は巨大な工場跡地などに、広い駐車場を有する大型ショッピングセンターや複合施設が進出し、中小規模の土地にも家電量販店や食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどの中規模店舗が定期借地で出店してきた。
しかし無店舗販売のネット通販が増加し、人口減少や賃金の横這い、家じゅうモノがあふれて物品購入以外の消費が増える中、借地契約の更新時に、賃料の減額交渉や再更新しないお店も増えている。ガソリンスタンドも街中から消える中、それらの空き店舗・空き地の需要を埋めてきたコンビニエンスストアや携帯ショップなども、オーバーストア状態になって来た。すでに都心に残る数々の公有地でさえ跡地利用が二転三転するような土地余り状態が続いている。高過ぎるか大き過ぎるのだろう。そんな状況に加えて、高齢化した土地オーナーの相続の発生も急増し、相続人が地元にいないケースも増えて、所有権は分散、土地利用は迷走して結局、賃貸マンション建築などに活用されて“周辺の空き家をさらに増加させる結果”になっている。土地や親の家はお荷物にしかならないという、30年前には考えられない状況を、将来の30年の計画にどう反映させていくのか、十分に練った都心活性化プランで土地利用をもっと流動化・効率化・活性化させたい。
2019年03月19日
ひろしま都心活性化プラン(素案)への意見|5.出生率の増加策と移住・定住者への魅力創出
前回のブログでは「4.交流人口・観光客の増加」というタイトルで、外部から流入する人々が魅力ある都市としてリピート訪問してもらうための基本的な考え方について書きました。
今回のブログは、市域内に住む住民の増加策、出生率の改善についての投稿です。
5.出生率の増加策と移住・定住者への魅力創出
続きを読む高齢化による多死社会と人口減少社会がすでに確実に進行する中、地域の活力を維持するために、まずすぐにでも自治体が実施可能な対策は、人口の「自然減」に繋がっている『少子化』と「社会減」に繋がっている若者の都市への流出をコントロールすることだ。つまり地域の若者が地元で働き、地元で結婚して子育てをするような環境を整備することしか地方の人口減を食い止める方策はないといっても過言ではない。
まず少子化の問題で出るのが『待機児童の解消』など、子供を預かる環境が整っていないから「生みたくても生めない」という意見。もちろん晩婚化や経済的理由、夫婦間の関係など様々な要因があるが、昔と比べてそれほど子育ての環境が悪化しているのだろうか?むしろ「仕事」と「子育て」が両立しにくく、子育てが妻一人の負担になっている状況の改善こそが必要だろう。
それは産休後の職場復帰や『イクメン』に代表される“夫の育児休暇取得”といった制度的な問題よりも、むしろ子育てが「孤独な環境で行われている」という母親の心理的影響も決して小さくない。高齢者の孤独死や犯罪防止なども含めて、近隣との人間関係を深め、コミュニティ形成に繋がるような住宅の形が欧米では研究され、共助が可能な住環境も登場している。
2019年03月15日
ひろしま都心活性化プラン(素案)への意見|4.交流人口・観光客の増加
前回のブログでは「3.雇用創出と貨幣の地域循環」というタイトルで、都心部に増えている分譲マンション、タワーマンションに対する懸念を発信しました。やはり中心市街地で増殖している『コインパーキング』も、歯槽膿漏で歯が失われていく高齢者と同様、都市が高齢化状態を迎えていることを示しているのでしょう。私はコインパーキングを「都市の耕作放棄地」と呼んでいます。
今回は、インバウンドをはじめとした『観光』や『交流人口』についての提言です。
4.交流人口・観光客の増加
続きを読む現在、広島市内の観光客は年間約1,200万人。
ここ数年、外国人観光客の伸びは飛躍的で、100万人に達した。一方でこれだけの観光客が来ながら、広島市内での一人当たり消費額は約18,000円程度であり、滞在型よりも「通過型観光地」になっている可能性が高く、少しでも滞在時間を伸ばすことが都心活性化プランにも求められる。それは単に宿泊施設の数ではなく、また街の景観や都市施設を充実させても、地域の外からの来街者の滞在理由に弱いことは、それぞれ自分の経験からも分かるだろう。そこにしかない『特別な来訪目的』が必要だ。
国際的・全国的なイベント(コンサートや競技大会ほか)やビジネス目的、グルメなど、宿泊を伴う目的が明確であれば滞在期間が延び、観光消費額も増えるだろう。しかし原爆ドームや平和記念公園といった「世界遺産」頼みの観光で、しかも観光バスや自家用車での来場であれば、観光地に最も近い駐車場を探し、駐車料金や駐車時間を気にしながらの観光にならざるを得ない。その結果「都心に観光バス用の駐車場が必要」という議論が出て、さらに”滞在せずに短時間で移動する観光客を地元自らつくる”悪循環を生じさせることの認識が必要だ。原爆ドームや平和記念公園が現状“最も集客力のある観光資源”であれば、駐車場から各施設への往復ではなく、平和大通りにLRTやBRTの停車駅等があり、行き先が分散されることが望ましい。回遊性が高ければ、袋町や並木通りなど地域色豊かな地元企業が出店している商業ゾーンに観光客の流入も増加が期待できる。
私たちがポーランドの「アウシュビッツ収容所」や沖縄の「ひめゆりの塔」など、戦争の悲劇の歴史遺産を体験した時の行動をイメージしても、それを払しょくできるだけの魅力ある施設や街が近くにない限り、出来るだけ早くそのエリアは立ち去ろうとするのではないだろうか?周辺の景観の美しさや大都市と比べて中途半端な都市の賑わい、交通アクセスの悪さは、観光客の滞在を延ばすまでの魅力につながらない。
2019年03月05日
ひろしま都心活性化プラン(素案)への意見|3.雇用創出と貨幣の地域循環(地域外流出の抑制)
前回のブログでは、私が広島県と広島市に送った『ひろしま都心活性化プラン』への意見の「2.エネルギー収支の改善のために」を転載しました。公募意見として提出したとはいえ、全文が公開されるわけではなく、一部を切り取って「市民の意見」が紹介され、それに対して行政からのコメントが付くだけなので、ほとんどスルーされたも同然の「市民の意見を聞いたアリバイ」としての価値しか感じられません。
今回は、やはり自ら米国の住宅地を視察し、その住環境の豊かさと資産形成のメカニズムを現地の専門家に聞いた話から、地方都市でも可能な豊かさのヒントを3.としてまとめました。
画像は米国フロリダ州のオーランド郊外の新興住宅地『ボールドウィンパーク』の景観。私自身がデジカメで撮った写真です。実は20年前のこの場所は米軍基地で、写真の水辺の空間は当時アスファルト舗装された基地の駐車場だったところです。まるでゴルフ場をつくるように、価値の低かった土地を加工し、人工的に美しい理想郷をつくりだしているのです。
3.雇用創出と貨幣の地域循環(地域外流出の抑制)
続きを読む米国が豊かなのは、旺盛な購買力・過大消費によって保たれており、その多くは借金によって国外から商品を購入している。経済が縮み人口減少が顕著な日本の地方都市が同じように消費によって地元民のお金が「県外に流出」すれば、地域の衰退は明らかだ。IT化によるビックデータの把握によってお金の流れを捕捉するなど、少なくとも統計データ化し実態と推移は継続的に把握しておきたい。結局お金の移動が“東京一極集中という人の移動”に繋がっている。
米国は住宅取得によって不動産の資産価値が上昇するのが政府や自治体の大きな役割であり、そのエクイティ(資産増加額)を担保に借り入れができるから、個人の購買力が増している。自治体にとっても固定資産税が増加し、住民自身によって不動産価値が高まる住環境の整備を自主的に行う好循環が出来ているから、米国の多くの住宅地が美しい景観を維持できているし中古流通も活発だ。それは、長期的な都心活性化プランにも入れるべき「目指す姿」でもあり、それによって空き家の減少や土地の有効利用、老朽化した家屋の更新などに繋がっていく。