ジメジメとする梅雨もそろそろ終わりそうですが、去年5月にお引渡しして1年経ったお客様の自宅に住み心地を伺いに訪ねてきました。広島市内中心部で『防火地域』という規制が厳しいエリアで、二世帯住宅の建て替え相談を受けて紆余曲折、一時は建て替えをあきらめかけていましたが、快適な二世帯住宅を手に入れられたIさんご家族です。
当初、上下分離で玄関も分けた完全二世帯住宅を計画され、それぞれが20坪以上のスペースが必要ということでプランを作成しました。3社の工務店から見積を出してもらったら、完全に予算オーバー。防火地域なので、基本的に木造住宅建設のハードルが極めて高く、事実上鉄筋コンクリート造が不可避でした。
各社の見積は、RC造ではコストが膨れ上がるため、東京などの大都市でわずかに実績がある『防火地域の木造住宅』の仕様に沿って、厚さ15mmの強化石膏ボードの二重張りなど、非常に高価になりしかも室内が狭くなる「木造耐火建築物」を提案しましたが、それでも予算オーバーは否めませんでした。見積を提出した3社にもコストダウンのアイディアを求めましたが、床面積を縮めるか、2棟に分けて木造の準耐火建築物にするといったこと以上に、金額差を埋める良案がなく、当社も木造で耐火の基準が多少緩くなる100m2未満のプランを作成し、様々検討をしました。
その中で「収納不足が解決できれば、部屋の狭さはある程度妥協できる」ということになり、基礎を深くして『半地下空間』を利用することと、屋根を「片流れ」にして、2階に固定階段で登れる『ロフト空間』を確保することで、二世帯双方が収納不足を解決できる案を提示し、そのような施工実績のあるカオル建設が選ばれました。
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