
昨日の夕方、山口市の『山口情報芸術センター』で開催された表題の講演会に参加してきました。講師は南ドイツで市民の出資を中心に、農村部で『再生可能エネルギー』ビジネスを展開している「ソーラーコンプレックス社」取締役のベネ・ミュラーさんです。
再生可能エネルギーと聞けば、「脱原発」や「環境問題」とリンクするように日本では考えがちですが、それ以上に
人口減や経済の停滞、高齢化が進む、地方の農村部や林業の村などを、衰退から救い出し、持続可能な地域社会をつくる大きな「社会変革」だということを学ばせてもらいました。
今日本でも「メガソーラー」など、耕作放棄地や埋立地、売れ残った工業団地などで、太陽光発電を中心とした『再生可能エネルギービジネス』が盛んになっています。化石燃料に頼らないとか、CO2削減、原発再稼働に反対といった理由もあって歓迎されていますが、
その多くが地元は「土地を貸すだけ」で、設備の設置工事や所有もほとんど大手企業や県外企業です。
ドイツと日本の最も大きな違いは、再生可能エネルギーへの投資と所有は、
地元市民を中心として出来るだけ地域の人たちが参加して、その収益や配当も地域経済を循環するということです。これまで地域の外に出て行っていた「エネルギー購入代金」を、自らの地域でほとんど無料で無尽蔵に得られる『再生可能エネルギー』に代替し、地元が出資した企業が建設や設置も行うことで、その収益や配当も地元に還流させようということです。
電気に関しては、固定買取制度によって、近くの電力需要の高い大消費地に販売、発電時に発生する排熱を利用して、給湯や暖房など高効率に自然エネルギーやバイオマスエネルギーを利用しようということです。従来外から買うしかなかった電気や灯油、ガソリンは、疲弊した農村部ほどその費用負担は大きく、逆に都市よりも豊富な自然や利用できる土地が、再生可能エネルギービジネスの「有望な経営資源」としてドイツではクローズアップされているのです。
つまり、農業や林業など、キツイ労働の対価として得られていた収入と比較して、年齢や体力に関係なく、農業ほど自然に影響されずに、継続的な収益や配当が見込まれ、永続できるビジネスが『再生可能エネルギー』だということです。
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Posted by cms_hiroshima at
16:36
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