
独立前に勤めていた住宅コンサルティング会社では、ある程度受注確率が高いお客さん、予算の大きな重要見込み客に対して、他社との差別化のために、手描きスケッチやこのような模型を持参して、「お客様の心をゲットする♪」というような営業テクニックを指導していました。
やはり数千万円の負担をする家づくりで、どこに頼もうか迷っている時に、見た目も分かりやすくて自分たちの家のイメージが湧き、世界でたった一つの「お客様だけのプレゼント」を受け取ると、他の会社が色褪せてしまうものです。もちろん製作費は掛かりますが、住宅展示場での集客コストや、何度も訪問している営業ロスに比べれば「ここ一番の大勝負!」では効果の高い営業ツールだったようです。
私は住宅営業の経験もなく、また1円も支払っていない『見込み客』に対して、このような豪華なプレゼントでお客さんの気持ちを掴もうというセールステクニックは、悪く言えば「お客をエサで釣る」ような、本質から外れた行為のように感じてあまり好きにはなりませんでした。お金を払うことなく、去っていく見込み客に対しても、時間と経費を多大に掛けることは、その経費を他の誰かに負担させるということです。
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