熊本地震からおよそ3ヶ月、ようやく落ち着きを取り戻しながら、被災の状況も残る熊本県益城町の中心部まで足を延ばしてきました。特に私が注目したのは、業界専門紙で取材されていた建物被害状況で、単に建物自体の『耐震性能』や『築年数』よりも、むしろ立地条件によって建物の揺れ方が異なり、それが被害の差になったのではないだろうかと感じたことです。
その仮説を確かめるために、記事中の建物写真や航空写真から場所を特定し、実際に自らの目で確かめてきました。
この画像を見ても分かる通り、白い矢印で示した「ブロック塀」などは、古い7段積みのコンクリートブロックなので倒れていても不思議ではありません。私が立っている道路に面した両側の建物は、せいぜい「要注意判定」で、他のブロック塀も倒れておらず、補修すれば住めそうな建物ばかりでした。
にも関わらず、奥の傾いた建物が見える半径50m程度のエリアでは、去年(2015年)建て替えられた新築の住宅が、何とかそのままの形で残り『要注意判定』の黄色い張り紙をされている以外は、2006年の新しい耐震基準で建てられた住宅も本震で倒壊し、すでに周辺の建物はほとんど取り壊されて、解体された残材が一部残されているという状態でした。
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