2017年01月19日

火災に強い家づくり

省令準耐火のコンセントボックス昨年末、新潟県糸魚川市で発生した大火災は、古い木造密集地での火災の危険性を再確認する大災害になりました。つい先日、22年目の黙とうを捧げた「阪神淡路大震災」でも、地震による圧死だけでなく、その後に発生した火災によって多くの命が失われました。

糸魚川の火災は、駅前の商店街で『準防火地域』という耐火性能の高い住宅が求められていたようです。しかし鉄筋コンクリートの建物でさえ、窓ガラスから入ってきた猛火で室内は延焼、強風にあおられて次々と類焼していきました。しかし奇跡的に燃えることなく、焼け野原にたった1軒だけ残った住宅は、特別に耐火仕様で造った木造住宅だったのです。

画像は、現在工事中の現場のコンセントボックス。省令準耐火仕様として鋼製(通常はプラスチック)で、仮に火が侵入しても壁の中を走らないよう耐火パテで延焼を防止しています。壁の下地を石膏ボードで防火としていても、コンセントやスイッチが溶けて壁内部を火が上昇すると、火に勢いがついてしまいます。今では、そのまま天井に火が抜けていかないよう『ファイヤーストップ』という材料で火の回りを抑え込みますが、昔の建物は火災も、床下からの冷たい風も、壁内部を通り抜けていました。

ちなみに画像の左側に見える「筋交い」金物は、熊本地震のような大きな揺れがあった時も、ダイレクトにビス(ねじ)に力が掛かるのではなく、少し歪んで緩衝することで揺れの力を分散させる筋交いプレートです。
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Posted by cms_hiroshima at 13:50Comments(0)TrackBack(0)

2017年01月15日

コミュニティ型賃貸住宅の見学会参加

テラスコート牛田旭今年最大の大寒波が到来した1月第2週の週末、知人がオーナーとなって建築したコミュニティ型賃貸住宅『テラスコート牛田旭』のオープンハウスに行ってきました。親族4世帯が住む山裾の広い敷地で雑木林になっていた法面を、将来の相続の対策も含めて10年前から計画、様々な難しい課題をクリアして、ようやく完成にこぎつけたということです。

良くあるアパートと違い、上下階に他人が住まない『メゾネット形式』の連棟住宅で、欧米では一般的なセミデタッチドと呼ばれるテラスハウスです。2LDKおよび3LDKで二階建て三層(ガレージおよび玄関のみの階あり)の建物ですが、オーナーがコミュニティを重視してつくった意欲的なプロジェクトで、私が行った時も地元TVの取材が入っていました。

雪の原爆ドーム急傾斜地でもあり、進入路が狭いため、広島市の開発許可を得るのも、宅地造成も大変な苦労があったとお聞きしましたが、良質な賃貸住宅が少ない中、戸建て感覚で近隣住民とのコミュニティを重視したこのような住宅は、人口減少や空き家増加などの社会問題に対して、ひとつの解決策を提供できると感じました。

夜は、別の知人の会社創立20周年の記念パーティ参加のため、広島国際会議場に行ってきました。雪化粧してイルミネーションで浮かび上がる原爆ドームは、長く広島に住む私にとっても珍しい光景でした。さすがにこの寒さ、観光客はおろかほとんど歩く人もいない平和記念公園でしたが、参加したパーティもオープンハウスも、人のつながりを感じさせる心の温かさが伝わってくるイベントでした。  
Posted by cms_hiroshima at 11:19Comments(0)TrackBack(0)