1日先延ばししましたが、一昨日の続き
『住宅プロデュース会社の功罪』です。
>>>「その1」を読みたい方は
こちら
メールをお送りいただいた「ねこ」さんに、返信メールを送りました。
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ねこ さま
こんばんは
メルマガ発行者の若本です。
メールいただきありがとうございました。
返信はいいとのことでしたが、返信しなくてはいられない情報ですね(笑)
●●社の××会長とは今年5月にお会いしました。でも、メルマガ記事内に●●社の名前をあげていましたでしょうか?W社は前書きか何かで名前を出した記憶はありますが・・・
それはよしとして、××会長も関西人なので我々の前では本音を出していました。
建築家は扱いにくいと。(といいながら商売に利用しています)
結局住宅業界は、こだわりや自負心を持った「曲がりなりにもプロの集団」なので、施主やプロデューサーといった、専門知識を持たない人には、彼らに具体的な指示は出せず、結果としていうことを聞いてもらえません。一級建築士でさえ、現場を知らない「設計屋さん」であれば、現場はいうことを聞きません。現場を知らないことがすぐに分かってしまうからです。
〜中略〜
今回のメールが私個人あてということではなく、これから「住宅プロデュース会社」を利用しようと考えている人たちにも知ってもらいたいという意図がもしおありでしたら、ハンドルネームで私のメルマガ内で紹介させていただきます。
新しもの好きの日本人への警鐘も含めて、実際に利用された方の意見は貴重で、私のメルマガでも発信していきたい情報です。
またご検討ください。
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返信メールを送りましたら、またメールが届きました。
その内容がまた面白い(といっては失礼か?)
ねこさんからの再メール
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若本様
わざわざ、早速にお返事をいただき、ありがとうございました。やっぱり、興味をそそってしまいましたか〈笑)。私がたどり着いたのは、このページです。
http://blog.mag2.com/m/log/0000123172/105197250?page=1
××節が目に浮かぶようです。
「建築家」は、そりゃ、扱いにくいでしょう。〈そもそも、「建築家」と称し、「先生」と呼ぶから、余計に扱いにくくなるのではないかと思います。)相手をする「プロデューサー」(これも、「コーディネーター」くらいが妥当な呼び方かと思います)は、建築の何たるかを知らん!どころか、石膏ボードも知らなかったりして、施主より無知なこともありますから。
メルマガのバックナンバーを、建築事務所に関するものを中心に、いくつか読ませていただきました。プロデュース会社に登録しているのは、アトリエ系ばかりですね。「どこ向いてるんや!」と言いたくなるような、横向きの、宙を舞う視線の写真(モノクロ)が多いです。金銭を含む監理責任の契約について知っていれば、工務店が割を食うこともなかったのに、と思いました。結局、きちんとした工務店であればあるほど、設計事務所の尻拭いをして、泣くことになるのです。
私が今思うのは、工務店が要ではないか、ということです。地味な存在ですし、欠陥住宅の番組などの影響もあって「工務店=悪」みたいな印象を持っている人が多いかもしれません。「建築家=素敵!」「プロデュース会社=正義の味方」というのと、裏腹に。でも、どんな建築家の「作品」でも、工務店が作るんです。同じ建築家の設計でも、工務店の力量の違いで、雨が漏ることもあります。
「家」が一番長くお世話になるのは工務店です。工務店から入って、そこが「この人なら」とお付き合いしている設計士さんたちが何人かいますから、その中から選ぶというのもひとつの方法ではないかな、と思います。そこに、第三者の検査機関を組み合わせれば安心です。(ちなみに、うちの工務店さん、二度とこの家を設計した建築家の仕事はしたくないそうです。苦労と損失がしのばれて、申し訳なく思います。)
工務店自身は直接作業はしないんですね。彼らこそ、真の「プロデューサー」だと思います。お金のやりくりをしながら、適切な職人さんたちを集めますから。残工事や手直し工事などで、職人さんたちとお話しする機会が多かった(建築家は確認にも来ませんでしたが)のですが、いい職人さんは。仕事にプライドを持っています。「設計の人は何にも知らんからなぁ。もっと手を抜いたら儲かるけど、後でその家の前を通れないような仕事はしたくないから」とおっしゃったのには感動しました。窓枠を、外壁の内寄りに付けるか外寄りにするか、にも美学をお持ちでしたよ、「エッ、こんなおじさんが」と失礼にも思うようないでたちの職人さんが、です。
そういう機会に、メンテナンスの方法も教えていただきました。
プロデュース会社が必ずしも正義の味方ではない、と思った一件があります。
工務店からの見積り額を検討して、無駄がないかチェックしていたときのこと。「写真代」として、いくらだったでしょうか、10万円以上はありました。「これ何?」と聞いたときの、建築家とプロデュース会社の担当者の「しまった!」という表情は、忘れられません。「竣工時の建築写真」の費用だというのです。言ってみれば、記念写真です。それを、「作品」として発表したり、壁に飾ったり、アルバムにして、次のお客さんゲットのために「こんなのもありますよ」と見せるのです。恩恵を受けるのは、設計事務所とプロデュース会社ですが、彼らは、その写真代を施主に負担させているのです。「記念だから専門家に撮ってもらっておこうよ」と施主が希望する場合はいいのですが、ずいぶんとあつかましい話です。確かに、見積もり用の図面には、「完成時の写真○枚」というようなことが、さりげなく書かれていました。後で工務店に聞いたところ、「建築家」の設計では、そういう指示が普通だそうです。もちろん、削ってもらいました。建築家には、かなり抵抗されましたが。
もうひとつ、プロデューサーと雑談していたときの話。建築家は、聞こえがいいからか、床に無垢材を使いたがりますね。(うちも無垢材ですが、自分で探してきたもので、納得済みです。断熱材まで探してきましたから。)「ワックスがけが大変だった。体力の落ちてくる年代の方にはおすすめしないわ」と言ったところ、「気にする人は、ですよね」と言うのです。無垢材のワックスがけ、一年に一回くらいしないと、耐水性も落ちるし、傷むと思うのですが、どうなんでしょう。住み続ける人のことを考えていない上に、素材のことをよく知らないし、自分ではメンテナンスしたことがないので、わからないのでしょう、建築家も、プロデュース会社も。とりあえず、聞こえと見栄えがよくて、数年持てばいいのです。施主のほうにも責任はあるのですが、「大切に使う」ことを考えて建てていないのです。
すみません、とても長くなってしまいました。建物とか、家作りとか、好きなので、つい。
知った上で、納得して、満足のいく家作りを楽しもうという方たちに、これらのエピソード、ご紹介ください。
ねこ
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この事例が全ての住宅プロデュース会社に当てはまるわけではありません。この方が利用された会社やサービスでも、担当するプロデューサーによって結果は異なっていたでしょう。
しかし、問題なのはプロデューサーの能力もさることながら、むしろ設計事務所のような気がしてなりません。元々プロデュース会社の存在なしでも、彼らがプロとしての仕事をしていれば、このようなメールは私に送られてこないでしょう。
このような事例はいろいろと耳に入りますし、住宅プロデュース会社の存在自体が、このような実態を反映して出てきたサービスだと思えるからです。
でなければ、プロデュース会社なんぞは存在理由がありません。
私自身も、しっかり自分の存在理由を確認しながら、施主と住宅業界健全化のために尽力していきたいと思います。
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