2011年06月19日

北米視察

シアトル郊外の住宅地「クイーン・アン」にて事後報告となりましたが、先週は一週間、北米のシアトル、ポートランドに視察に行ってきました。写真はシアトル市内を見下ろす丘に開けた「クイーン・アン」という高級住宅地で、同行した住宅CMサービス京都の高田さんに撮ってもらった画像です。

今回の視察のテーマは2つ。ひとつは『インスペクション』(建築検査)で、もうひとつは『グリーンビルディング』(環境負荷を抑えた建築)です。

まずはシアトル近郊の町カークランド市のインスペクション担当職員ジム・ボウマン氏から約2時間のレクチャーを受けた後、建築中の現場で実際のインスペクターに話を聞きました。

カークランド市で北米の建築検査を視察現場はカークランド市役所庁舎から徒歩でも行ける入り江に面した建築中の現場。日本で考えると、かなり複雑な形状の屋根で、100坪を超える豪邸です。現地では、設備を担当する別のインスペクターが待機しており、図面を交えて解説してくれました。

日本は、工法がたくさんあり、役所でも把握しきれないほどの認定工法や建築材料があるため、工事中の検査は配筋や中間などわずかしかありません。しかし北米では、2×4という標準化された工法があり、ビルディングコード(施工要領書)がしっかりしているため、工事中に12〜15回程度の検査(インスペクション)が行われるそうです。

現地のインスペクターこのインスペクションは、合法的な建築であり、火災の安全性や耐久性、省エネ性能などを満たすのはもちろんとして、将来売却する場合に「市場価値」(売買価値)があることも重要なポイントです。パーミッション(=建築許可)が与えられた建物は、すべてこの厳しいチェックによって安全な家だということが担保され、仮に欠陥等が発生した場合は、公務員のインスペクターであっても、個人が訴えられるということから、インスペクション技術の向上や、ビルディングコードの更新が欠かせないそうです。

建物単体の安全性だけでなく、立地やデザイン、美しい周辺の宅地環境などをみると、まさに「住宅という資産」を行政をあげて大切にしているということが感じられました。


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