2013年04月06日

伊勢神宮の門前町『おかげ横丁』に行ってきました!

伊勢おかげ横丁家づくりの仕事をしていると、土日はほとんど相談業務等で休みが取れないので、毎年春休みの時期の平日に連休を取り、家族旅行が通例となっています。

今回の家族旅行は、式年遷宮で20年ぶりに正宮が新しくなる伊勢神宮に行ってきました。事前に門前町となる『おはらい町』に、前回(20年前)の式年遷宮の時にオープンした、古き良き時代を再現した新しい街「おかげ横丁」の開発プロジェクトの話を聞いていたので、内宮をお参りした後、街歩きをしてみました。

おかげ横丁の路地裏1980年代、車でのお伊勢参りがほとんどとなり、参道と並行して走る国道23号線周辺に駐車場が整備されると、この参道を通る人波は急減し、全国どこにでもあるシャッター通りのような参道になったようです。そこで、この地で1707年から操業している地元老舗企業「赤福」が中心となって、お伊勢参りで賑わっていた江戸時代を再現する街の再開発がスタートしました。赤福自身も鉄筋コンクリートの自社ビルを解体し、社員が手分けして周辺に住んでいる人たちから土地を買い上げ、約2700坪の用地を取得しました。

全国にあるテーマパークや温泉街などのように、構造躯体は鉄筋コンクリートに和瓦や表面だけに木を張り付けた、歴史や厚みを感じられない「疑似和風」の建物ではなく、伊勢神宮の式年遷宮によって、伝統的な技術を持った大工・職人が多くいる町だからこそ、違和感なく江戸時代から明治時代をイメージさせる街並みが再現されていました。少し街の様子をご紹介しますね。


おかげ横丁の通り建物自体も歴史を感じさせるデザインになっていますが、通りの幅や裏路地の存在など、現代の「車が離合できる」道路のスケールではなく、「人中心」のスケールで出来ている町なので、落ち着きと賑わいを感じさせます。

おかげ横丁の太鼓櫓人間にとって、心地よい距離感というのは、自動車が入ってくる前提でつくられた町ではなく、ヒューマンスケールだというのが体感できました。また遠くまでまっすぐ見通せる町よりも、カーブやクランクがあって、街並みに変化があると「この先は何があるんだろう・・・」と好奇心をくすぐられます。建物も見える角度が変わることで、新しい表情が与えられ、町の息吹が感じられました。

この町に入るのに、入場料を取らないこと、そして至る所に、来場者を楽しませる小さな工夫が重ねられていることが、滞在時間を長くし、また来たいと思わせる雰囲気を醸し出しています。

おかげ横丁の通りおかげ横丁の路地裏30を超えるお店や施設が軒を並べていますが、従業員教育が行き届いているようで、通常の観光地にみられるような「呼び込み」や「商品の連呼」などがないのも居心地の良さに繋がっているようです。

欧米でも平日に観光客以外の地元の人たちも集まって賑わっている町は、自動車の進入を制限した「ヒューマンスケール」の安心して買い物や休息が出来る町です。そしてノスタルジー(郷愁)を感じさせる歴史や文化の香りがする町は、人々が集まってきます。不思議と表面上だけマネしたものは、薄っぺらな感じがして、来る人にも違和感や居心地の悪さが伝わるようです。

海外で見る日本食レストランと同じく、やはり中途半端なマネはどことなく気づかれてしまいますね。さすが、木造住宅の伝統技術が残っている伊勢ならではの町でした。

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