2014年06月13日

ドイツのエネルギーヴァンデ(大変革)を学ぶ

ドイツの市民エネルギー企業経営者のミュラーさん昨日の夕方、山口市の『山口情報芸術センター』で開催された表題の講演会に参加してきました。講師は南ドイツで市民の出資を中心に、農村部で『再生可能エネルギー』ビジネスを展開している「ソーラーコンプレックス社」取締役のベネ・ミュラーさんです。

再生可能エネルギーと聞けば、「脱原発」や「環境問題」とリンクするように日本では考えがちですが、それ以上に人口減や経済の停滞、高齢化が進む、地方の農村部や林業の村などを、衰退から救い出し、持続可能な地域社会をつくる大きな「社会変革」だということを学ばせてもらいました。

今日本でも「メガソーラー」など、耕作放棄地や埋立地、売れ残った工業団地などで、太陽光発電を中心とした『再生可能エネルギービジネス』が盛んになっています。化石燃料に頼らないとか、CO2削減、原発再稼働に反対といった理由もあって歓迎されていますが、その多くが地元は「土地を貸すだけ」で、設備の設置工事や所有もほとんど大手企業や県外企業です。

ドイツと日本の最も大きな違いは、再生可能エネルギーへの投資と所有は、地元市民を中心として出来るだけ地域の人たちが参加して、その収益や配当も地域経済を循環するということです。これまで地域の外に出て行っていた「エネルギー購入代金」を、自らの地域でほとんど無料で無尽蔵に得られる『再生可能エネルギー』に代替し、地元が出資した企業が建設や設置も行うことで、その収益や配当も地元に還流させようということです。

電気に関しては、固定買取制度によって、近くの電力需要の高い大消費地に販売、発電時に発生する排熱を利用して、給湯や暖房など高効率に自然エネルギーやバイオマスエネルギーを利用しようということです。従来外から買うしかなかった電気や灯油、ガソリンは、疲弊した農村部ほどその費用負担は大きく、逆に都市よりも豊富な自然や利用できる土地が、再生可能エネルギービジネスの「有望な経営資源」としてドイツではクローズアップされているのです。

つまり、農業や林業など、キツイ労働の対価として得られていた収入と比較して、年齢や体力に関係なく、農業ほど自然に影響されずに、継続的な収益や配当が見込まれ、永続できるビジネスが『再生可能エネルギー』だということです。

ドイツの野立て太陽光発電右の画像は基礎も舗装もなく、野立てで設置メガソーラー。地元が自ら出資し、出来るだけコストを抑えながら安全面に配慮し、高い収益を求めるから、いろんな知恵や技術が地元に蓄積されます。

ちなみに1ヘクタールの森林で得られるエネルギーと、同じ1ヘクタールで太陽熱温水器を設置した時に得られるエネルギーは60倍の効率で太陽熱温水器に軍配が上がり、木材チップを利用したバイオエネルギーなども含めて、農業や林業が衰退しつつある地域ほど、高いポテンシャルがあるということです。

省エネ技術を含めて、断熱改修工事やリフォームなど、地域の職人たちの工事を増やすことで、さらにエネルギー購入の流出を止めて、地域内でつくったエネルギーを地域外に輸出、寒い冬も地元でつくられたエネルギーで暖房して快適に暮らせる様子は、冬の厳しい寒さと人口減に悩む中国山地の自治体と重なります。

『サステイナブル・スイス』の著書もあるスイス在住の環境ジャーナリスト「滝川薫」さんが通訳をされ、彼女が同社などドイツの市民エネルギー企業を取材した本も購入しました。お二人にサインもいただき、記念撮影をしましたが、是非住宅と併せてエネルギーも『地産地消』し、地方の市民も豊かな将来がつくれるよう、勉強と実践していきたいと思います。

今回のミュラーさん率いる「ソーラーコンプレックス社」ほか、ドイツの事例を紹介した本はこちらです。
http://www.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Fwww.futababooks.com%2Fitemdetail%2Findex%2Fitem%2F3538219&h=nAQHUN1fL

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