2014年11月27日

地震に強い家

3寸の太〜い筋交い先週土曜日夜に発生した長野県の震災は、白馬村で多くの倒壊建物を目にし、建築関係者も衝撃を受けています。なぜなら、長年あの豪雪に耐えるほどの太い柱や梁を使った古い民家まで柱が折れ、1階がつぶれている家の映像を数多く目にしたからです。

画像は現在府中町で建築中の注文住宅の構造部分。柱間に横揺れの荷重に耐える斜め材の『筋交い』を取り付けていますが、この現場を担当している工務店では柱の太さと同じ3寸5分(約10cm)の太い筋交いを採用しています。通常はタスキ掛けできるように、柱の半分以下の太さで『筋交いプレート』という金物をビス止めして固定します。

この現場では、柱にボルト固定することで柱の抜けなども防止し、より強い壁をつくっています。白馬村の民家が倒壊した理由は大きく2つあり、そのひとつは昔ながらの「木組み」(金物を使わず、継手や仕口加工で木材を繋ぐ)によって、大きな力が「加工した継手部分の破壊」や「土台からの柱の抜け」となって、2階の荷重に耐えられなくなった様子がみてとれました。

木材自体は太くても、継手部分はオスとメスで細く加工されることと、金物で緊結しないので、あまりにも大きな力が掛かると抜けてしまうということに繋がります。特に筋交いの端部は、柱が抜ける方向に大きな力が掛かります。

そしてもうひとつの理由は・・・
通常の筋交い倒壊した建物の足元を見ると、基礎が割れていたり、土台や束石から柱が抜けていたりし、地盤が大きく揺れただけでなく基礎の強度不足が感じられました。新しい住宅は比較的被害を受けておらず、今のようにしっかりと地盤調査の上地盤補強を行い、基礎底盤にも鉄筋を入れて立ち上げ部分も一体化した『ベタ基礎』を採用していれば、建物の倒壊には至らなかったでしょう。

右の写真は安芸区に建築中の別の現場の通常の筋交いで、柱間にダブルでたすき掛けの筋交いを配置し、金物プレートで柱にビス止めしています。こちらは外壁面に『構造用合板』を張ることで、耐震性を高めた事例です。

今回長野県で発生した地震による建物倒壊で、人の命がひとりも失わなかったのは奇跡的ですが、これは地域のコミュニティがきちんと残っていたエリアだということと、太い軸組の建物で壁が少なかったことが、倒壊したがれきの中に十分な隙間空間が残っていたということもありそうです。

自然災害が頻発する日本で、安全な家を増やしていくために、まだまだやることがたくさんありますね!

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