4年前に、広島市が公募していた『都市デザインアドバイザー会議』の市民委員となって2年間、主に公共建築物のデザインに関して意見を言う立場を経験しましたが、今年はさらに範囲の広い
『広島市都市計画審議会』の市民委員に選ばれました。前回同様、公募で書類審査、面接の結果、男性1名・女性1名枠の中で選任してもらうことが出来ました。
初仕事はお盆前の最も暑い時期。広島市役所の議会棟の「全員協議会室」で行われました。
学識経験者や市議会議員なども含めて、委員席に20名。そして説明する側に、広島市役所の都市整備局の部長以下、都市計画課の職員の人たちとマスコミ関係者が揃い、4つの議案に関して審議しました。イメージとしては、マンション管理組合の総会で行われる「議案の提起」と「住民による審議」という感じです。
第一号議案は『広島駅新幹線口周辺地区の地区計画の変更』で、用途地域や容積率の見直し案でした。
ひと通り市役所の都市計画課長からの説明を受け、審議に入りましたが、何も質問もなく議長の「では採決を取ります」の言葉で、皆さん「異議なし!」と発して次の第二号議案の説明が始まりました。私は初参加なので、まずは皆さんどのような発言があり、場合によっては激しい議論が巻き起こるのかと期待していましたが、静かな株主総会のような様子で、ちょっと拍子抜けです。
第二号議案と第三号議案は、私が住んでいる西風新都の地区計画の決定と変更の審議でした。個人的に身近な場所でもあり、せっかく選ばれたのに発言もせずに帰る訳にはいかないため、挙手して質問を行いました。
一番疑問に思ったのは、各議案に関して事前に各地域や区役所などで住民に『縦覧』をし、意見を集めているはずなのに、「原案の縦覧期間」(約2週間)と翌月行われた「案縦覧」(同2週間)で、どの議案もほとんど縦覧者も意見書件数もゼロということ。
私が住んでいる団地(Aシティ)は、住民の意識も高く、周辺で開発計画があれば、自治会長がヒアリングを行い、団地の集会所で事業者から公開ヒアリングを行うなど、告知さえあれば関心をもつはずなのに、ゼロという数字は、周知方法が悪いのか、市民の意見を集める努力が足りないのか、いずれかであると思い、告知方法を尋ねました。予想通り「お役所仕事」でしたが、これまで審議委員の誰も気にせず、スルーしてきたことも驚きでした。
次回はいつになるか不明ですが、やはり都市計画は市民生活に非常に密接にかかわるものでもあり、もっと身近で市民が意見を言える環境作りが必要だと感じました。周知方法の改善も市役所側にお願いしましたが、自分たちが住む町を暮らしやすい町にしていくためには、市民自身ももっと関心を持つ必要があるように思います。
一般には聞きなれない
『立地適正化計画』や、多少市民権を得てきた『コンパクトシティ構想』など、様々な都市計画、都市問題解決の話し合いも進んでおり、今後も積極的に情報収集し、発言していく所存です。
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