9月に入り広島市内も急に涼しくなりました。猛暑の記憶が薄れつつありますが、お盆前の猛暑の頃の現場写真をご紹介しておきます。
こちらの現場は東広島市。今月末には完成見学会を行う予定ですが、まだまだ猛暑の8月9日の午後、私が現場に立ち寄った時の写真です。
この日は職人さんたちはいませんでした。玄関は施錠されていたので閉め切った室内に入り、工事の進捗状況をじっくり確認して、次は外部の左官下地の確認をしようと2階の階段を降りようとした時に「あれっ?2階でも暑さを感じなかったなぁ」と気づき、すぐに車に温湿度計を取りに行きました。
車内の温度の影響があるので、しばらく室内に置き、外回りを確認して2階の温度を確認したところ、わずかながら温度が下がり、
炎天下の午後3時半に、工事中の現場の室温が32.3℃でした。もちろんエアコンもなく、閉め切っていたので風も通していない吹抜け空間の足場上です。
室内の温度差を比較するために、1階に移動して5分経過を待ちました。
1階でもほとんど温度変化はなく、32℃です。湿度は50%台なので、蒸し暑さもありません。サッシもトリプルガラスを採用しているので、窓からの輻射熱も感じられず、体感温度と室温がほぼ同じようなので、汗が噴き出すこともない状態です。
ちなみに当社の事務所は最上階で、屋上が部屋の真上なので、エアコンをかけても天井の表面温度は30℃を超えます。先日計測したら、室温との温度差が約5℃でした。
体感温度は、室温と外皮の表面温度を足して二で割った温度ということなので、実際の室温より2.5℃暑く感じるということです。
この天井からの「輻射熱」が、夏の夜の寝苦しさの原因でもあり、夏は汗が噴き出し、冬は暖房していてもゾクッとする寒さの要因です。実際に戸外に出て外気温を測ってみましたが、室内とほとんど変わらない温度でしたので、日射のない室内では涼しく感じたのでしょう。
断熱性能の高い住宅では、工事中で電気もエアコンもない状態でも、このような体験が可能です。それは単に外壁や天井の断熱性能だけではありません。サッシも同様に高い断熱性能や日射遮蔽が施されていなければ、ガラス窓自体が「パネルヒーター化」して室内温度を高めます。
断熱性能のバランスが取れていて初めて、室内にも温度変化が少なく、吹抜けでも冬寒さを感じることもなくなります。温度変化が気流を生み、暖かい空気は天井近くに、冷たい空気が足元に漂い、床暖房が必要になるのです。
床暖房によって体感温度は上がっても、サッシが冷たければ不快な室内となり、エアコンの暖気も部屋の中の温度差をつくるだけの気流を生むから「エアコンは苦手!」という方をつくってしまいます。断熱性能の高い家では、今やエアコンが最も省エネで快適な冷暖房設備になっています。
床暖房よりも、入居後の光熱費支払いのない断熱性能に投資すること、特に開口部への投資が効果的だということが、建築中の現場でも分かります。
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