2016年10月22日

オガールプロジェクト

オガール紫波の中央公園久しぶりに東北まで来たので、本やネットで興味を抱いていた街づくりプロジェクトにも足を伸ばしてみることにしました。岩手県紫波町の『オガール紫波プロジェクト』です。

中尊寺のある平泉から在来線で約1時間、東北本線で紫波中央駅を下車したら目の前です。途中、鳥取県倉吉市を中心とした震度6の地震情報が入り、妻からも「7Fにある事務所が揺れて怖かった!」とメッセージも届きビックリしました。4年前には近くまで来ましたが、その頃はこのプロジェクトは無名で、私たちは東日本大震災で大きな被害を受けた住田町や陸前高田市の視察だったので、当時はノーマークでした。

紫波町の人口は約3万人。盛岡市から通勤圏とはいえ、過疎と高齢化が進む小さな町のプロジェクトは、全国の地方都市に大いなる勇気をもたらせる興味深い事例がこのオガール紫波の取り組みです。

オガールINN右の画像は最近完成したオガールINN。出来るだけ地元の経済循環に帰するように、地元企業による特定目的会社(SPC)で建設・運営を行うスポーツおよび宿泊施設です。一観光客として訪ねたので、施設内部の見学はしていませんが、バレーボールに特化した屋内競技施設と、全国からバレーの合宿目的にやってくる選手たちが宿泊できる部屋、そして地元企業によるテナント出店が、他の地域ではみられない街の特色を醸し出していました。

建設費を抑え、地元企業が施工に参加できることも重要なので、構造は木造として、雪の多い海外の観光地にみられるように、ピロティを設けて長い廊下のような空間がありました。中庭のような公園を挟んで、対面には図書館やマルシェなど、地元の人たちが気軽に集まれる複合施設も統一したデザインです。

ピロティに向いて、エアコンの室外機や換気口、配管などがむき出しなのは、いかにコスト抑制のデザイン処理とはいえ、気になりましたが、見慣れれば一般人には気づかないかも知れませんね。

紫波中央駅からの景色紫波(しわ)町に掛けて「48」という数字で断熱性能の高い家を地元工務店施工で供給しようと、『紫波型エコハウス建築プロジェクト』という事業も行われており、サポートセンターとなるモデルハウスも見学させてもらいました。暖房や給湯はすべて町内から集められた木質チップを燃料とした地域熱供給サービスを利用し、エネルギー購入費用から、住宅建築に使う構造材、施工業者に至るまで、地域でお金が回るようにこだわった、日本では先進的なプロジェクトでした。

欧州に比べると、それでも20年以上遅れているように感じましたが、地方の3万人程度の自治体がこのような取り組みを行っていることは、地方創生が叫ばれている時代、大いに刺激になり参考になるプロジェクトだと思います。中国地方でも是非このようなプロジェクトが出来るといいですね!私は東広島市で新駅が出来るJR寺家駅周辺が大きな可能性を秘めていると感じます。

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