6年前の今頃は、消費増税の駆け込み需要によって、建築現場に資材が入らないといった混乱が生じていたことを、自分のフェイスブックの過去の投稿で知りました。お節介にもフェイスブックは過去のその日の投稿を知らせてくれますが、すっかりと忘れていました。
先週末、広島市西区で50坪を超える二世帯住宅の棟上げを終えました。朝8時前に現場に到着し、現場監督や大工さんたちの話を聞くと「今回の新型コロナの影響で、
鋼製束や釘などの建築金物が中国からの輸入で入荷ストップしていて、すでに材料発注済みの現場以外は着工の見通しが立たない」という話題で驚きました。
リフォームの現場では、やはり中国で生産している衛生陶器(TOTOやINAX等)が入荷できず、便器が据え付けられないためお引渡しも工事代金回収もできず困っているという話を複数から耳にしましたが、新築現場でも深刻な状況になっています。
今の現場は、釘打ちもマシンガンのような機械で打ち込むため、昔の大工さんたちのように釘を口の中にくわえ、1本づつ金づちで打ち込むようなことはなく、国内で製造されている釘は昔ながらのものしかないようです。まさにマスク生産の8割が中国で、国内のマスク不足が深刻になったように、他の国に依存した生産や経済がいかにもろいかを今回再認識させられました。
少なくとも、住宅建築はやはり出来るだけ地元の材料、地元の職人たちが出来るような生産システムが、リフォームも含め将来にわたって持続可能性があると気づかされた新型コロナウィルスの影響です。
アメリカでさえ、ユニットバスなどはなく、風呂は職人たちが組み立てて左官やタイル張りをしています。もはや新築市場が縮まることを考えると、
日本に住宅を大量供給するハウスメーカーは不要な存在になっていく、そのキッカケを今回のパンデミックが早めてくれたと考えれば、これから新しい住宅産業の在り方が模索されるようにも感じますね。